■財政健全化法
都道府県や市町村の財政破たんを防止するため、財政の健全度を指標で判断する「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が平成19年に公布されました。
この法律では、自治体の財政の健全度を測る指標として、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4つの健全化判断比率及び企業会計における資金不足比率が設けられ、その算定数値によって「健全段階」「早期健全化段階」「財政の再生段階」の3つの状態に区分されます。紋別市に適用される基準は表1のとおりです。
■早期健全化段階
4つの比率のうちいずれかが基準を超えた場合に早期健全化団体の適用を受け、自主的な改善努力による財政健全化(比率を基準内の数値に戻すこと)を推進しなくてはなりません。
それでも改善されない場合、総務大臣や北海道知事は必要な勧告をすることができます。信号機にたとえると、黄信号が灯った段階です。通常は、この段階で健全化され、次の段階である財政の再生段階に進むことはありません。
■財政の再生段階
早期健全化段階の自治体が、不測の事態によりこの段階に陥ると、いわゆる赤信号となり、国の管理下で再生を進めることとなります。
具体的には、財政再生計画を策定し、総務大臣の同意を得ることとなりますので、事実上予算編成権がなくなり、自治権が制限されることとなります。
■健全化判断比率
▽実質赤字比率
一般会計等の決算における実質収支(歳入総額から歳出総額を差し引き、さらに未払い金等を差し引いたもの)が赤字の場合、その赤字額を標準財政規模(自治体の裁量で使途を決めることができる一般財源の大きさを表すもので、税収や地方交付税などの合計額)で除したものです。
実質収支が赤字ということは、その年に資金不足が発生していることとなり、不足分を金融機関からの一時借入金で対応し、翌年度の税収などで借入金を返済することとなります。
紋別市は、表2の一般会計等の小計欄のとおり、3億3,304万円の黒字となりましたことから、昨年同様、比率の算定はありませんでした。
■連結実質赤字比率
この比率は、一般会計等だけでなく特別会計や企業会計も含めた赤字の比率です。
企業会計(公営企業法適用事業)は、民間企業と同様の経理を行っていることから、資金繰りの状態を把握するため、貸借対照表の流動資産から流動負債を差し引いた額(資金不足額)を用いています。
その他の会計は、黒字もしくは収支均衡となりました。これらを合わせると、表2のとおり11億2,990万2千円の連結黒字となり、昨年同様、比率の算定はありませんでした。
※決算額等は、国の基準により、会計間での数値移動や重複経費を除外していますので、決算書の数値とは異なっています。
※会計基準の見直しにより、法適用事業の資金不足額算定のうち、流動負債に計上された翌年度償還の企業債については算入対象から除外されています。
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