■子どもたちの生活~睡眠と食事~
昨秋、羅臼町では、幼稚園、小学校、中学校へ通う全てのお子さんと、子育て支援センターを利用しているお子さんを対象に生活アンケートを実施しました。
ここでは、特に睡眠と食事に関することを題材にお知らせします。なお、令和5年度の緒むすびによる生活アンケートの全体の集計は羅臼町ホームページにも掲載します(本紙2次元コード参照)
「健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)」では、十分な睡眠を確保し、心身の健康を保持するため、睡眠時間等の推奨事項を設定しています。
アンケート結果では、幼稚園児53.0%、小学1~3年生22.6%、小学4~6年生54.5%、中学生47.1%が、推奨睡眠時間を確保できていない状況となっていました(図1)。
▽推奨睡眠時間「健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)」
・3~5歳児 10~13時間
・小学生 9~12時間
・中学生8~10時間
デジタル端末の多くは、その画面から光を発し、入眠作用のあるホルモン「メラトニン」の分泌を阻害するため、寝る直前までスマホやタブレットを見ていると、体内時計のバランスが崩れ、朝起きるのがつらくなったり、食欲がなくなったりといった体調不良につながる恐れがあります。
日本眼科医会や文部科学省では、寝る一時間前にはデジタル画面を見ないように推奨しています。
アンケートの結果では、幼稚園児で5割弱、小学生で約7割、中学生になると、約9割が寝る一時間前になってもデジタル画面を見ている状況でした。特に中学生では寝る直前まで使用している子は約半数いました(図2)。
子どもの朝食欠食率は幼稚園から学年が進むにつれてあがっており、中学生では3割程いる状況でした(図3)。朝食を欠食する背景に、睡眠不足や寝る直前までのデジタル端末機器の利用等が関係している可能性があります。
また夕食後の飲食状況を問う質問も実施していますが、そこでは、どの学年も8割以上、夕食後に飲食をすることがあるとの結果でした。このことから、夕食後の飲食が朝食の欠食を誘発している可能性があります。
子どもにとって睡眠は、骨や筋肉の成長、肥満予防、早熟抑制のほか、記憶の定着、想像力や集中力のアップなど脳の成長にとても重要です。子どもが質の良い睡眠を確保するためには、家族等の大人の理解や協力が不可欠です。大人自身の健康を維持するためにも、質の良い睡眠の確保に取り組むことをお勧めします。
▽生活の決まり
・小学生→スイッチオフ20時
・中学生→スイッチオフ22時
※羅臼町では、子どもの健康を守るため、スマホやタブレットの使い方等の生活の決まりを掲げています。
▽できることからはじめてみよう!
・夜は部屋の明かりを落とし、眠りに誘う
・デジタル端末の利用時間を決める(おすすめはスイッチオフ20(22))
・スマホ等は寝る部屋に持ち込まない
・朝はカーテンを開け、目覚めを促す
・日中は太陽の光を浴びる(外遊び等)
・朝食を食べて、体内時計を整える
・夕食後、寝る前の飲食は避ける
・夜、子どもに添い寝しながらのスマホ利用はやめる
・家庭内で話題にし、ルールを決める
今後も「らうすの子どもたちの育ち」をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。知りたいことや疑問、ご意見などあれば、電話等にてお気軽にお問合せください。
◆子どもの自律・親育ち応援チーム 緒むすびとは
教育部門と保健部門の行政職員で構成されるチーム。専門知識と技術を導入しながら、学校、家庭、地域に協力を求め、緒(糸)を結び、子どもが健やかに成長できるよう、子どもの自律と家庭の教育力の向上を目指して取り組んでいます。
ご連絡・お問合せ先:羅臼町教育委員会社会教育課または役場保健福祉課の「緒むすび」担当まで
・社会教育課【電話】87-2004
・保健福祉課【電話】87-2161
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