知床は今年6月に国立公園指定60周年、来年7月には世界自然遺産地域登録20周年を迎えます。羅臼町は、斜里町・環境省・林野庁・北海道など行政4者と協同して、令和6年4月から令和8年3月までの2年間を周年記念期間と位置づけ、記念イベントを実施いたします。
知床国立公園は、昭和36年に国の自然公園審査会において、「原始的景観保護のため、速やかに国立公園に指定することが必要」と答申され、昭和39年6月1日に国内で22番目、北海道では4番目の国立公園として誕生しました。知床世界自然遺産地域は、平成17年7月17日に南アフリカ共和国ダーバンで開催されたユネスコ世界遺産委員会で登録が決定されました。4つの評価基準(※1)のうち「生態系」と「生物多様性」が認められての登録でした。2つの評価基準が認められたのは、日本では屋久島と知床だけです。
※1 四つの評価基準(クライテリア)の一つ以上に適合することが、世界自然遺産に登録される条件となっている。
1「自然美」
最上級の自然現象、又は類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する
2「地形・地質」
生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である
3「生態系」
陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である
4「生物多様性」
学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する
■羅臼ビジターセンターの開設と知床財団羅臼地区の新設
環境省は、国立公園の玄関口にあたる羅臼町の湯ノ沢地区に、知床の自然をより深く理解してもらう施設として、昭和58年に「羅臼ビジターセンター」を開設しました。以来、ここを拠点に知床国立公園の普及啓発、様々な自然体験活動や自然保全の取り組みなどの情報発信をしてきています。
重要な役割を担ってきたのが「公益財団法人知床財団」です。昭和63年に斜里町が出資し設立され、知床の自然を「知り、守り、伝える」活動に取り組んできました。平成17年の世界自然遺産登録を契機に、平成18年より羅臼町も共同出資者となり、知床財団羅臼地区事業係が新設され、羅臼ビジターセンターを拠点として、国立公園や世界遺産に精通した専門家集団による羅臼をフィールドとした活動をスタートしました。その後平成21年には、世界遺産条約に関する普及啓発を行う施設として「知床世界自然遺産センター」が斜里町ウトロ地区に、羅臼町ルサ地区に「知床世界遺産ルサ・フィールドハウス」がオープンし、半島先端部への入り口にあたるこの施設は、バックカントリーを含めた利用者へのルール・マナーの説明や、現地情報の取集・提供などを通じ、遺産地域での心構え・責任ある行動と安全な利用を促し、知床における海・川・山が育む野生動植物の関わり、その豊かな自然資源をいただきながら人の営みもまた脈々と続いてきたことを伝えるなどの機能を有し重要な役割を担っています。
お問合せ先:産業創生課
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