今、日本全体で大きな問題となっている人口減少・少子高齢化(以降、人口減少問題という)に対し、羅臼町においても人口減少問題に起因する各種課題への対応を図ってきています。
今回は羅臼町が行っている人口減少問題に対する各施策、また羅臼町が目指すまちの姿を令和3年4月に策定した「第2期羅臼町総合戦略」から紹介します。
■羅臼町の人口減少の現状
人口が減少するのには、「自然減」と「社会減」の2つの要因があります。
「自然減」とは、生まれた赤ちゃんよりも亡くなった方のほうが多くなることです。「社会減」とは、転入してくる人よりも転出していく人のほうが多くなることです。
羅臼町の場合、平成17年までは出生数が死亡数を上回っていましたが、平成18年から出生数よりも死亡数が上回る自然減がはじまり、それが令和5年現在まで続いている状況です。また、基幹産業である漁業の低迷の影響などから町外に活路を求める人たちが多く、社会減の現状にあり、少子高齢化が進行しています。
(羅臼町町勢要覧よりデータ引用)
■第2期羅臼町総合戦略~人口の将来展望~
2065年の羅臼町の人口は1,126人と推計されており(国立社会保障・人口問題研究所)、地域経済の縮小による様々な基盤の維持がより一層困難になることが推測されることから、羅臼町の将来展望では、転出超過状況にある人口移動の段階的な改善を図り、2065年度で人口2,021人の維持を目指すこととしました。そのためには社会増・自然増を目指した施策を同時に進めていくことが重要であるとして、地域における安定した雇用の創出と地域の活性化を図るため、若者の雇用の場の確保と合計特殊出生率の上昇、若い世代が将来に希望を持つことができるまちづくりを推進することとしています。
▽第2期羅臼町総合戦略期間の数値目標
・合計特殊出生率平成27年度(2015年度)1.72を令和7年度(2025年度)まで維持
・令和7年度(2025年度)の総人口4,235人を維持
▽令和47年(2065年度)までの数値目標
・合計特殊出生率を令和27年度(2045年度)1.80までに段階的に上昇させ、その後維持
・令和47年度(2065年度)の総人口2,021人を維持
(第2期羅臼町総合戦略より引用)
■第2期羅臼町総合戦略の目指す姿~暮らしたい・創造したいをかなえるまち~
第2期羅臼町総合戦略では、既存産業の魅力化と新規産業の創出や企業誘致を最重点として取り組み、若い世代が結婚・出産・子育てに希望が持てるまちづくりを進めます。
人口2,021人でも幸福感を持つことができるまちを目指して、今後も各施策に取り組んでまいります。
※第2期羅臼町総合戦略は、羅臼町ホームページからご覧いただくことができます!更に詳しくご覧になりたい方は下記URLもしくはQRコードからご確認ください。
【URL】https://www.rausu-town.jp/pages/view/303
・まちづくり総合計画
・第2期羅臼町総合戦略
(QRコードは、本紙をご覧ください。)
◆基本目標1
若い世代が安心して働ける魅力ある産業の振興
▽地域経済を支える漁業の推進
・ふるさと納税(返礼品)の推進
・知床らうすブランド認証品制度の推進
・水産資源の増養殖に係る実証試験及び研究
▽既存産業支援と新規産業の創出
・水産業、酪農業など第一次産業の安定経営に資する支援
・企業誘致と新企業の参入による雇用の創出・地域産業活性化補助 など
◆基本目標2
知床羅臼町の魅力を活かした移住、定住の促進
▽交流人口拡大事業
・旅行代理店等への観光PR
・国内各学校への修学旅行誘致活動
・体験プログラムの開発
▽移住・定住対策の推進
・就業体験付き等の移住体験事業
・羅臼町奨学金返還支援事業
・地域おこし協力隊の活用
・空き地・空き家バンク事業 など
◆基本目標3
結婚・出産・子育てをしやすい環境と未来を担う子どもたちの教育環境の整備
▽結婚・出産・子育てに対する支援
・妊産婦健診・産後ケア事業
・子育て世代包括支援センターでの相談事業
・園児・児童・生徒の医療費無償化
▽魅力ある教育環境の整備と時代を担う子どもたちへの支援
・幼小中高一貫教育による知床学の推進
・生徒や保護者から選ばれる高校づくり など
◆基本目標4
若い世代が主体となった知床羅臼みらいづくりの推進
▽まちづくり活動の支援
・いきいき地域提案型事業
・Kプロジェクト(アンダー60創造会議、オーバー60協力隊、未来創造事業)
▽社会基盤整備
・水道・温泉の安定供給施策の検討
・ゼロカーボンシティーの推進
・地域公共交通計画の策定 など
お問合せ先:企画財政課
【電話】87-2114
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