実はビールも健康に良い?
ビールを1日1杯程度飲んでる人は、腸内細菌叢(そう)がより多様である、つまり、健康だという研究結果を米国化学会が発表しました。
腸内にはおよそ100種類以上、40兆個以上の細菌が生息しています。腸内細菌は宿主の健康に直接影響をもたらし、良好な腸内環境は2型糖尿病や肥満、心臓病などの慢性疾患のリスクを低下させ健康に貢献するという報告があります。
米国化学会が発表した別の研究では、ビールに含まれているホップ化合物がアルツハイマー型認知症の予防に役立つ可能性も示されました。認知症の主な原因は、脳に蓄積されたアミロイドβと呼ばれるタンパク質と考えられていますが、ビールに含まれるホップが、このタンパク質の疑集を阻害する可能性があるというものです。
さらに、イタリアの研究グループはビールの醸造プロセスで使用されるのと同様の方法で、広く使われているホップの抽出物を取り出し、その抗酸化特性を調べたところ、多くのラガービールや低アルコールのエールビールなどに含まれるドイツで多く栽培されているテトナングホップからの抽出物が、最も強力な抗酸化作用や抗凝固活性を示すことが分かったということです。
でも、こんなに健康に良いビールですが、飲み過ぎには注意しましょう。
〔執筆者紹介〕
美唄市医師会・田中康夫
市立美唄病院副院長
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