間質性肺炎とはどんな肺炎?
時々、間質性肺炎という言葉を聞くことがあると思いますが、それは一体どのような病気なのでしょうか。よく肺炎で入院したりしますが、その場合の肺炎は多くが細菌性肺炎です。また新型コロナが流行してからはウイルス性肺炎も増えましたし、他にマイコプラズマ肺炎もあります。しかし、これらは病原菌による感染症です。一方、間質性肺炎は感染症ではなく、他人に移りません。肺の構造を見てみましょう。ブドウの房を思い浮かべてください。房の茎の部分が細い気管支で、枝分かれしてその先に粒がたくさん付いています。粒の部分が肺の一番奥で肺胞と言いますが、その外側の表面に細い血管が巻きついています。息を吸うと空気が気管支を流れて奥の肺胞に達します。そこで酸素がブドウの皮である肺胞の壁を通って血管に入ります。このようにして酸素を体に取り入れていますが、間質性肺炎はこの肺胞の壁に炎症がおきて壁が厚く硬くなります。そのため酸素が血管に入りにくくなり、肺自体も柔らかさを失い十分に広がらず、肺活量が減って酸素不足から息切れが生じます。進行すると壁も壊れて呼吸不全になります。原因は不明のものが多いですが、自己免疫疾患や薬剤などによることがあります。最近、女性歌手がこの間質性肺炎にかかりましたが、自己免疫疾患に伴うものでした。比較的ゆっくり進行していても風邪などをきっかけに急に悪くなることがあります。一年に一回は胸部レントゲン写真を撮り、から咳(せき)や息切れが続く時は受診しましょう。
〔執筆者紹介〕
美唄市医師会・清水透
花田病院副院長
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