■学校教育の充実
学校教育につきましては、具体的な5点について申し上げます。
▽1 社会で生きる力の育成
令和5年度全国学力学習状況調査結果による成果と課題を検証し、調査対象の学年や教科のみならず、全学年、全教科を対象に、学校の教育活動全体を見渡した幅広い観点から、継続的な検証改善サイクルを構築し、教育指導の充実や学習状況の改善に努めてまいります。
また、児童生徒の状況に応じた学習支援を行うため、各学校には学習支援員を引き続き配置してまいります。
言葉の発達や学習、行動面及び医療的な面等で支援を必要とする児童生徒が年々増加している中、子育てに悩みを抱えている保護者も多くいることから、教育相談支援員の配置等、安心して学校生活を過ごすことができるよう、引き続き特別支援教育の充実を図ってまいります。
小学校、中学校に開設している通級指導教室は、個別指導による教育支援のニーズが高く、利用者が増加していることから、教室の安定運営と指導者の充実に努めてまいります。
国際理解教育の充実につきましては、幼稚園・保育所・小学校・中学校・高校が連携して国際社会に活躍できる人材の育成と英語力の向上を図るために設立した「外国語教育連携推進会議」を中心として、より充実した英語教育の推進に努めてまいります。
また、外国語指導助手(ALT)や外国語活動支援員を引き続き配置し英語力の向上を図ってまいります。
GIGAスクール構想(全国の小中学生に一人一台端末を配布して時代の要請に応える学びを目指す構想)により導入した端末が更新の時期を迎えるため、本年度から2カ年で計画的に更新を進めてまいります。
また、ICT(情報通信技術)の効果的な活用に向けて、電子黒板の導入等、環境整備を進めるとともに、教職員の指導力を高める研修も行い、全ての児童生徒の可能性を引き出せるよう、教育の質の向上を図ってまいります。
▽2 豊かな人間性の育成
様々な人との関わり合いなどを通して、人を思いやる心や命を大切にする心など、社会性や豊かな人間性を育むために、家庭や地域と一体となって道徳教育の充実に努めてまいります。
いじめ問題については、令和5年度に改定した「蘭越町いじめ防止基本方針」を基に、いじめアンケートを注視し、家庭、地域、関係機関との連携を一層強め、いじめ根絶の取り組みを推進してまいります。
また、日ごろから、各教職員間の情報共有やスクールカウンセラーとの連携により、未然防止に向けた相談しやすい環境づくりを進めるとともに、児童生徒が互いを尊重し合い、主体的に望ましい人間関係を形成し、いじめを許さない態度を育てる指導に努めてまいります。
▽3 健やかな体の育成
全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果も踏まえながら、授業の改善・充実により、児童生徒の体力・運動能力を育成するよう努めてまいります。
学校給食の運営につきましては、児童生徒の健康の保持増進と安全・安心な食事に対する正しい理解が得られるよう、学校と連携して食育の推進を図るとともに、施設の維持補修等、衛生管理の徹底に努めてまいります。
また、物価高騰による賄材料費の影響分については、子ども・子育て基金を活用し、現行の給食費を維持しながら、安定した給食の提供を図ってまいります。
▽4 学びをつなぐ学校づくりの実現
複雑で多様化する学校教育の課題に適切に対応するため、引き続き学校教育アドバイザーを配置し、町内小中学校の学習指導の充実と教職員の指導力や学校経営の向上を図ってまいります。
学校段階間の連携・協働の推進につきましては、小中連携を強化するため設置している教育課程交流会において、教育課程の編成と実施、指導方法の工夫改善を図り、9年間の義務教育を見通した児童生徒の育成の充実を図ってまいります。
学校運営の改善につきましては、学校における働き方改革第2期アクションプラン(令和3年度~令和5年度)での課題を整理し、第3期アクションプラン(令和6年度~令和8年度)の策定を行い、業務の効率化等、勤務状況の改善を進めてまいります。
また、中学校における部活動については、全ての部活動で引き続き指導員を配置し、地域移行も踏まえながら、働き方改革を推進してまいります。
学校安全教育の充実につきましては、子どもたちを取り巻く社会には、自然災害や交通事故等多くの危険が潜んでおります。防犯協会や家庭、地域と連携した不審者対策や交通安全対策に取り組み、町の防災担当課とも連携し、自然災害から身を守るための訓練や学習会等、非常時における防災教育を推進してまいります。
また、児童生徒が安全に通学できるよう、「通学路安全推進会議」を中心に、引き続き、関係機関との連携を図ってまいります。
児童生徒の学習環境の改善に向け、各学校施設照明のLED化を進め、また、老朽化による蘭越中学校の大規模改修につきましては、今年度から2カ年で改修工事を実施し、改修にあたっては、生徒の安全対策を最優先とし、騒音や振動等、授業に極力影響の無いよう十分配慮し進めてまいります。
▽5 学びを支える地域との連携・協同の推進
予測困難なこれからの社会においては、学校、家庭、地域が連携・協働し、社会全体で学校や子どもたちの成長を支えることが重要であるため、学校と地域のつながりを深め、魅力ある学校づくりを推進してまいります。
蘭越高等学校につきましては、北海道教育委員会で策定された「これからの高校づくりに関する指針」を念頭に置きながら、高校存続のため引き続き入学者の確保に努め、関係機関とも協力し、地域に根ざした高校づくりに向け努めてまいります。
また、生徒自身が多種多様な事に関心を持ちながら、魅力ある高校づくりが図られるよう、札幌大谷大学との高大連携を推進してまいります。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>