◆国内農業の情勢
令和3年度の国内の基幹的農業従事者数は約130万人となっており、年々減少していることや農業従事者の平均年齢も67.9歳と高齢化が顕著です。また、農地面積は耕作されずに放置・荒廃してしまった農地の増加や宅地などへの転用により、およそ60年で約600万haから約434万haと約4分の3まで減少するなど、農業の形態も大きく変化してきました。
訓子府町でも同様に農業戸数が昭和50年度には638戸ありましたが、令和5年度は255戸と半分以下となり、担い手不足による減少が進んでいます。しかし、1戸当たりの経営面積は拡大し、昭和50年度の8.03haから令和5年度には23.07haと大きく増加し、生産性向上により生産性の高い農業を実践しています。
・基幹的農業従事者数と平均年齢の推移
資料:「農林業センサス」「農業構造動態調査」
・農地面積の推移
資料:「耕地及び作付面積統計」
◆これからの農業のめざす姿
生命や健康に直結する食料の安定供給は、将来にわたって食料を安定的に供給し、国内で生産できるものは、できる限り国内で生産することが重要です。
国は、食糧安全保障の強化に向けて農政の基本方針を定めた「食料・農業・農村基本法」の改正案を令和6年の通常国会に提出する予定です。
改正案では、食糧安全保障に加えて「環境と調和のとれた農業への転換」「人口減少下における農業生産水準の維持・発展と地域コミュニティの維持」を重視し、国内農業生産基盤を維持するために農地の確保や有効活用、輸出促進などの対策を講じる内容となっています。
訓子府町は農業が基幹産業であり、タマネギ・畑作三品(ジャガイモ・小麦・てん菜)・酪農といった経営形態を基本としつつ、水稲、豆類、加工用スイートコーン、メロンをはじめ栽培されている作物は多岐にわたり、皆さんに安全・安心な農産物を供給しています。
現在は肥料などの農業資材や家畜飼料の価格が高騰し、農業においても厳しい環境にありますが、これからも農産物を安定供給するため、農業の担い手確保やスマート農業をはじめとした新技術や新品種の導入など持続可能な農業を進めていく必要があります。
◆消費者として食品ロスの削減も重要です
日本国内では、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」の量は年間523万tにも及んでいます。これは、日本人一人当たりの食品ロス量は1年で約42kgとなっており、一人当たり毎日茶碗1杯分のご飯を捨てていることと近い量になります。
食品ロスは食料自給率にも影響します。食品ロスを減らすためには、家庭で食品ロスが出ないようにするだけでなく、食べ物を買う店、食べる店での食品ロスを減らす意識が大切です。
店頭で陳列されている賞味期限の順番に買ったり、食べきれる分量を注文して食べ残しを出さないなど小さなことから意識して食品ロスを減らしましょう。
◇国民一人当たりの食品ロス量
・1日 約114g
※茶碗約1杯のご飯の量(約150g)
・年間 約42kg
※年間一人当たりの米の消費量(約51kg)に近い量
資料:総務省人口推計(令和3年10月1日)
令和2年度食料需給表(確定値)
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