足寄町は「足寄高校」の特色ある学校づくりを応援します。
北海道足寄高等学校(石橋栄校長、以下:足寄高校)は、今年で開校75年を迎える十勝管内有数の伝統校で、卒業生は、十勝管内はもとより、全道・全国・海外の各方面で活躍しています。
全国的に少子化や過疎化が進む中、足寄高校も入学者数の減少が進み、平成2年までの5間口をピークに平成13年以降は2間口となっています。
北海道教育委員会が策定する「公立高等学校配置計画」では、1学年1間口となった場合、将来的に再編整備の対象となることが示されており、足寄高校存続のためには1学年2間口(41人以上)の入学者確保が必要です。
地元から高校がなくなると、中学卒業生の進路範囲の限定化や他市町村への進学による保護者の費用負担増加と人口流出など、地域活力の低下や衰退を招き、直接的・間接的な影響は計り知れません。足寄高校の存続は地域の存続を図る上で中心的かつ重要な課題であり、町は魅力ある学校づくりのサポートなど、入学者確保に向けさまざまな形で支援を行っています。
今月は、その成果と支援策を紹介します。
※間口~学級数のこと。1間口の生徒数は40人。
■令和6年度新入生は64人町の支援策が成果を上げています
町は新入生の減少で1学年1間口となった平成23年度以降、足寄高校存続のため、資格検定料や海外研修費の補助などの支援を行い、2間口確保に努めてきました。平成26年度に再び1間口となる厳しい経験もありましたが、学力向上のための公設民営塾の設置や給食の無償提供、下宿機能を併せ持つ多目的交流施設を開設するなど、足寄高校への支援を拡充してきました。
これらの支援が実を結び、平成29年度には17年振りに入学者が60人となり、7年振りに全学年2間口となりました。また、生徒数の増加に伴い部活動も活発化しています。
本年度の生徒の入学者は64人のうち、足寄中学校からは34人が入学。地元以外からの新入生30人は隣町の本別町5人、陸別町4人のほか、帯広市や幕別町、豊頃町などからの入学となっています。また、地元から足寄高校に入学した割合は68%で、ここ数年7割前後を維持しています。
■令和5年度卒業生 進路決定・合格先
◆進学
◇4年制大学
(国公立大学)
・小樽商科大学
・北見工業大学
・岩手大学
・公立千歳科学技術大学
・釧路公立大学
・旭川市立大学
(私立大学)
・北海学園大学
・北星学園大学
・北翔大学
・札幌保健医療大学
・天使大学
・札幌国際大学
・北海道文教大学
・北海道科学大学
・北海道情報大学
・札幌大学
・北海商科大学
・東京情報デザイン専門職大学
・法政大学
・金沢工業大学
・京都芸術大学
◇専門学校・各種学校
(準大学)
・北海道立農業大学校
(看護学校)
・帯広高等看護学院
(その他)
・帯広コア専門学校
・札幌こども専門学校
・札幌スポーツ&メディカル専門学校
・札幌デザイン&テクノロジー専門学校
・経専調理製菓専門学校
・北海道どうぶつ医療専門学校
・北海道芸術デザイン専門学校
・日本工学院専門学校就職
(公務員)
・北海道職員
・足寄町職員
・本別町職員
・陸別町職員
(民間企業)
・足寄町社会福祉協議会
・足寄町森林組合
・足寄町農業協同組合
・足寄町酪農ヘルパー運営有限責任事業組合
・斉藤井出建設株式会社
・有限会社ひだまりファーム
・東北海道いすゞ自動車株式会社
・日本ニューホランド株式会社
・株式会社レンテム
・株式会社遊佐組
・株式会社ナカジマ薬局札幌本社
・株式会社アルファベットパステル
・株式会社第一ホテル
・株式会社ジョイフルエーケー
・イオン北海道株式会社
・北海道PKホテルマネジメント株式会社
・株式会社グランベルホテル
・株式会社ザ・キッド
・株式会社TomoniSolutions
・株式会社サンプリンス湯元ニセコプリンスホテルひらふ亭
・協同組合フォレスト十勝
・樽栄環境整備株式会社
■令和5年度卒業生にインタビュー
~高校生活を振り返って~
▽佐々木凜さん 札幌こども専門学校
3年間の思い出は、友達と何気ない日常生活を送れたことです。その中で相手との上手な関わり方を学んできました。足高は、家からも近くて仲良しの友達も行くからと決めましたが、塾や検定を無償で受けることができるので、親の負担が減って良かったです。
将来の夢は、子どもたちから慕われる保育士になりたいです。
▽新津聡人さん 小樽商科大学
足高での思い出は3年生の時の学祭です。クラスパフォーマンスは里見が丘野球場の広々とした場所で、たくさんの方に見てもらえて良かったです。
中学生の頃はあまり勉強をしていなかったけれど、大学進学を目指した時に町からの支援で塾に通うことができて高校生に手厚いなと感じました。足高は勉強がしやすい環境でありがたいなと思います。
▽澤田綺さん (株)ジョイフルエーケー
進学のきっかけは、姉が楽しそうに足高に通っていたことと、親への負担を減らせると思い決めました。就職を志望していたのでいろいろな検定を受けました。無償で受けられたので挑戦しやすかったです。高校生活の1番の思い出は修学旅行で、少しコロナが落ち着いてきたこともあり、自由行動ができました。観光名所など行きたいところに行けて楽しかったです。
就職後は人間関係を大切にし、お客さんに好かれるように頑張りたいと思います。
▽髙橋海音さん 天使大学
進学のきっかけは、足高に通っていた兄が中学生の頃よりも楽しそうに見えたからです。バスケ部のマネージャーをやっていたことが高校生活の思い出です。部員同士の仲裁に入ることも多く、話をまとめる力が身に付いたと思います。
大学から課題が出たときに習っていない単元の内容がありましたが、塾の先生に丁寧に教えてもらいました。
将来はスポーツ栄養士の資格を取り、スポーツ選手や企業を支えたいです。
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