◆生理の貧困とは
近頃、ニュースなどで見かける「生理の貧困」。「自分は男だから関係ない」「個人の責任でしょう」と思っていませんか。
生理の貧困とは「経済的な理由などで生理用品を購入できない状態」のことなどをいいます。日本だけではなく、世界的に注目されている言葉で、開発途上国や先進国においても、生理用品の入手困難だけでなく、衛生的なトイレや水の不足により、身体を清潔に保ったり、生理用品を適切に廃棄したりすることが困難な場合があります。
生理の貧困が起こる理由には、(1)経済的貧困、(2)知識や人間関係の2つの大きな要因があります。
(1)経済的貧困は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により収入格差が拡大したことを背景に顕在化しました。収入が下がれば、おのずと生理用品にかけることのできる金額も減ってしまいます。家庭が貧困になると、自分で収入を得ていない子どもは、自分で生理用品を入手することがさらに困難になります。厚生労働省の調査によると令和3年の子どもの貧困率は11.5%で、約9人に1人が貧困状態にあります。このことから、日本国内において経済的理由により生理用品を入手することが困難な女性は、大人だけでなく、子どもも多く存在していることが考えられます。
(2)知識や人間関係については、世間が「生理は、恥ずかしいもの」という印象を持っていることが大きく関わっています。そのイメージの影響で、周囲の人に相談できなかったり、助けを求めにくかったりした経験はありませんか。特に、女性の保護者がいない家庭では、保護者も何を教えていいか分からない状況に陥ってしまうことがあります。女性の保護者がいる家庭でも仕事で不在にすることが多く、十分に話す時間がないなどで子どもが相談しづらい、またはネグレクトなどで相談できない場合もあります。このようなことから、正しい知識を得られず生理の貧困に陥ってしまう子どもが少なくありません。また、周囲から生理は恥ずかしいことと思われることや、月経前症候群による体調不良を訴えても理解してもらえないことがあるなど、生理に対する理解不足は女性の社会進出にも大きな影響を与えることになります。
生理の貧困を解決するために私たちにはどんなことができるでしょう。まずは、生理について正しい知識を身に付けることです。子どもがいる家庭は、家族で話したり、絵本などを使って学んだりしましょう。子どもがいなくても、パートナーと話す機会を作ってみても良いかもしれません。
生理の貧困は社会全体の問題です。他人事と思わずに、まずは身近なことやできることから取り組んでみましょう。
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