世界の平均気温は、今後、産業革命以前と比べて1.5℃の上昇となることが確定的です。そして、その上げ幅は私たちが行動しなければより大きくなります。十勝地方でも温暖化が進行しています。気象庁による『日本の気候変動2020』では、現行のまま化石燃料を使い続けると、今世紀末の十勝の真冬日は今より50日間ほど少なくなり、年10日程度になると予測されています。
9月に開催した地域づくりセミナー「然別湖の環境と気候変動」では、結氷する然別湖の環境も温暖化の影響を受けることを紹介しました。とかち鹿追ジオパーク推進協議会では研究者などと協力して、然別湖の水温や結氷状況の観測・記録を進めています。温暖化が進むと結氷期間が短くなり、自然環境やしかりべつ湖コタンの開催に影響が及びます。水は0℃を境目に凍るか凍らないかがはっきりわかれるため、影響が大きくなるのです。
鹿追では地域全体で脱炭素に取り組んでいます。凍れ(しばれ)をテーマとするジオパークならではの自然遺産、文化遺産を守るために根源的に重要な取り組みです。
脱炭素社会は、現在の技術と社会の仕組みでは達成出来ません。新しい技術を受け入れ、仕組みを変えていくことが鍵です。既存のルールや仕組みを変えていくのは大変ですが、温暖化で失われゆく自然や文化を持つ地域だからこそ、行動していきましょう。
問い合わせ:とかち鹿追ジオパーク推進協議会事務局(ジオパーク推進課)
【電話】67・2089
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