◆「秋を愉しむ」
然別湖の秋を愉しむポイントをご紹介します
◇紅葉
10月の上旬には紅葉の見頃を迎える然別湖。針葉樹の深い緑と広葉樹の紅・黄葉が織りなす景観は迫力満点です。一様に紅に染まる紅葉も美しいのですが、然別湖は紅、橙、黄、その色の中でも落ち着いた色、鮮明な色、グラデーションを施すものと数多い暖色の混じる紅葉も味わい深く、綺麗です。色付きのタイミングや色合いを毎年変えてくる然別湖。樹木と天候が作り出す紅葉は、どのような景色になるでしょうか。
◇キノコ
春から植物たちと同様に数多くのキノコが森の中から顔を出してはいるのですが、秋になると私たち人間の意識が向くからなのか、より多くその存在に気付くようになります。絵本から飛び出てきたような風貌のベニテングタケはまるで「私を見て。」と、言わんばかりの自己主張のある色と形。一方でこっそりと隠れているかのように小さく目立ち難いキノコもいます。個性豊かな形や色、独創的なデザインに注目して森を歩くのも面白いです。まるで、「木の子」とかくれんぼをしているような気持ちで探してみましょう。
◇魚の遡上
然別湖だけに暮らすミヤベイワナ(オショロコマの亜種)が産卵の為に湖北部に注ぐヤンベツ川へ遡上を始めます。向かうは川の上流部、森の中。繁殖の時期を表す婚姻色と呼ばれる橙色にお腹を染めて、川を進んでいき、尾鰭で川底を叩いて穴を掘り産卵をする様は命の力強さを教えてくれます。川の浅い場所を進む時、その魚影は空からよく見え、この時を待ち構えていた魚食のシマフクロウやオジロワシ・ミサゴといった猛禽類たちも魚を捕らえるのに夢中になります。
◇けあらし
秋の風物詩といえば水温と気温の差で発生する「けあらし」。湖面近くを細切れの靄が漂い幻想的な景色を作り出します。スーパースローモーションを連想させる靄の動き、ゆったりとした景色の移ろいは山の向こうから太陽が昇るまでの僅かなひと時だけ。よく冷え込んだ朝に見ることができます。
◇月
然別湖畔温泉地からは正面にくちびる山(天望山)を眺めることができます。夕暮れ時、くちびる山の左の裾野からゆっくりと月が昇ってきて、月の明かりが水面に映り、さざ波の上に月の道が自分の方へと真っ直ぐ伸びてきます。月を眺めていると穏やかな気持ちに満たされていく気がします。
10月17日は満月です。今回はスーパームーンと言って、月と地球の距離が近くなることにより地球から見た月が最も大きく見えるそうです。その日は天候に恵まれることを期待して、お月見を楽しめるといいですね。
写真・文:然別湖ネイチャーセンター
【URL】https://www.nature-center.jp
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