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猟友会のしごと(1) ~鳥獣被害からまちを守る~

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北海道黒松内町

北海道の調査では、全道の鳥獣による農林水産業の被害額は、2011年度に過去最高の約72億円を記録し、その後は約50億円程度で推移していましたが、近年は3年連続で増加するなど、増加傾向にあります。
特にエゾシカによる被害額は全体の8割を占めていて、本町も例外ではなく大きな被害を受けています。
今月は、まちの鳥獣被害を減少させるため、鳥獣駆除に取り組む「北海道猟友会寿都支部黒松内分会」の活動についてお知らせします。

◇まちの鳥獣被害
本町の鳥獣による農作物の被害額は令和5年度で約1,659万円に上ります。
主な被害はエゾシカによるもので全体の約7割を占め、その他カラス、ハト、ヒグマ、アライグマなどによる被害も甚大です。被害を受けている作物はデントコーン、豆類、種子馬鈴薯、米類などで大きな被害を受けています。
町ではアライグマ駆除のための箱わな講習会の継続実施や、「電気柵」の設置に要する経費の補助、農業者によるわな免許の取得推進などを進め、農業被害の軽減を目指しています。

本町の農作物被害額の推移

◇猟友会とは
猟友会は、狩猟免許を保有し、野生鳥獣の保護管理活動を行う狩猟者を会員とする団体で、本町は22人が所属しています。
狩猟免許には、銃で獲物を捕らえる「銃猟」のほか、「箱わな」や獲物の足などを捕らえる「くくりわな」を設置して狩りを行う「わな猟」などがあります。昨年度、自ら鳥獣被害から農作物を守ろうと、新たに農業者を含む町内7名の方が「わな猟」の免許を取得し、猟友会に加入しました。
本来、趣味で狩猟を楽しむ団体の猟友会ですが、最近は鳥獣による農作物の被害防止やヒグマが出没した際のパトロール活動、頻繁に出没するヒグマの駆除など社会的な役割が増しています。
猟友会は町や関係機関と協力して、町民の安全や鳥獣被害対策に取り組んでいます。

本町の捕獲鳥獣の推移

◇北海道猟友会寿都支部 黒松内分会 会長 
金子和司さん(西熱郛開拓)
普段は株式会社三本木組で公共施設の管理や除雪を行っていて、その傍ら猟友会で活動しています。
加入してから今年で10年目になり、会長になってからは5年目です。
両親が黒松内で酪農を営んでいたので、デントコーンがヒグマによる被害を受けていることは昔から知っていました。もともと猟友会の活動に興味を持っていたのもあり、周りからの薦めで加入しました。
活動内容は、主に月2回の猟友会のメンバーが集まって行う定期パトロールと、個人で行う自主パトロールです。私は毎日夕方に、クマの目撃の多い場所を中心にパトロールしています。今年からは春クマの駆除活動も始まり、猟友会一丸となって被害防止に努めています。
昨年度は19頭のシカを駆除しましたが、獲った後に山から運んで解体処理しなければならず、その過程が一苦労ですね。
増えすぎた害獣を駆除できれば、農作物の被害や、登山・釣り・山菜取りなどを楽しむ方の人的被害を防げると思うので、町民が安心して生活できるよう、これからも継続して活動していきたいと思います。

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