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ひとこと191

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千葉県いすみ市

■真の経済立国とは
いすみ市長 太田洋
ある日曜日、ふと雑誌を読んで興味を引かれた記事がありました。それは、かつての日本人の観光について書かれた記事でした。昭和の時代、経済成長期、多くの日本人が海外に目を向け、旅行といえば海外旅行の時代がありました。多くの日本人が団体で特に台湾、中国、韓国、東南アジアへ出かけたものです。今考えると、この状況を現地の人はどう感じていたのでしょうか。私も若い時、アジア諸国を旅しましたが、当時は円の価値が高く、ドルでなくても日本円で買い物ができました。日本人観光客が大手を振って街を歩く姿を、現地の人が羨ましそうに見ていたことが、今でも忘れられません。
その雑誌の記事の中で、特に印象に残ったのは、「いつか私たちも日本人のように豊かになって日本に旅行に行きたいです。とにかく今は頑張っていくしかない」と語っていたという言葉でした。そんな日本は、昭和が終わり平成に入ってまもなく経済が低迷しましたが、この間アジア諸国は発展し、日本は先進諸国の中でも中位以下の国となってしまいました。
今、日本は観光で外貨を稼ぎ、国の発展を観光に向けています。多くの観光地が外国人であふれ、東京に行っても買い物をしている人といえば外国人ばかりで日本人の姿は少なくなりつつあります。かつて外国に行って買い物することが誇りのように思えた時代がありましたが、今は当時と逆転してしまったようです。先日、友人がある観光地を訪れたのですが、どこに行っても外国人がたくさんいて驚いたそうです。
コロナが5類に移行し、人々の行動も活発になりつつありますが、なかなか家族や友人と旅行に行くことが難しいのが現実で、物価高の中で厳しい生活を強いられているのは事実です。もっと楽しく生き生きと笑顔あふれる日本をどうしたら取り戻せるか政治の責任が大きいと考える日々です。ある外国の学者が、日本の生きる道を提言しました。一つ目は教育、二つ目は農業、三つ目は環境、四つ目はインバウンドということですが、国はこの考えを参考に、未来を拓く政策を打ってほしいと願っています。

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