気候変動による影響は、農林水産業・水環境や水資源・自然生態系・自然災害・健康・産業や経済活動・市民生活の7分野に分類できます。
今回は、気候変動により被害が深刻化している自然災害の実態と、被害をより小さく抑えるための「適応」の取り組みをご紹介します。
■実態 頻発・激甚化する災害
台風や大雨による災害の頻発・激甚化は、気候変動による気温上昇や水蒸気量の増加と密接に関わっており、将来はこれまで以上の強度で災害が発生すると考えられています。
すでに佐倉市にも、地球温暖化の影響が現れ始めています。
▽令和元年房総半島台風による被害
・停電…約2万4000軒(ピーク時)
・建物被害…1404棟(一部損壊)
・最大瞬間風速…33.9m/s(市の観測史上最強)
▽令和元年10月25日の大雨による被害
・浸水被害…床下32棟、床上21棟
・24時間降水量…248mm(市の観測史上最多)
■対策 気候変動の影響に「適応」する
厳格な緩和策を行ったとしても、気候変動の影響による災害発生リスクは上昇すると予測されています。そのため、災害に備えて、気候変動への「適応」をできることから実行しましょう。
◆自助・共助・公助による「適応」の取り組み
▽個人
・災害時の避難場所の確認
・防災グッズの準備
・佐倉市メール配信サービス(※1)
・雨水貯留浸透施設の設置(※2)
▽行政
・調整池の新設などの雨水流出対策
・河川の浚渫(しゅんせつ)・河道(かどう)の拡張
・避難所の防災備蓄などの整備
・学術機関との連携(右写真)
◆地域で協力して「適応」に取り組んでいる事例もあります
市内飯田地区の「飯田環境保全会」では、水田に器具を取り付け、約3万トンの雨水を一時的に貯留できる機能を持たせることで、大雨時に近隣河川などの急激な増水を防ぐ「田んぼダム」の取り組みを行っています。(※3)
■今回のまとめ
自然災害に対して、さまざまな適応策が実施されている一方、「完全な防御策はないことを知る」ことも適応の一つです。
市は、気候変動対策に取り組んでいますが、一人ひとりが最悪のシナリオを想定し、災害に備えることが重要です。
出典:イラストは、気候変動適応情報プラットフォーム。内容は、国土交通省「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」提言をもとに市が作成。
※1:防災行政無線の放送内容をメールでお知らせしています。
登録方法:二次元コード(右記)を読み取る、または直接アドレスを入力して、空メールを送信【メール】sakura@emp.ikkr.jp
※二次元コードは、本紙をご覧ください。
※2:補助制度があります。詳細は治水課【電話】484-4261へお問い合わせください
※3:詳細は、「こうほう佐倉」令和5年8月15日号の8ページをご覧ください
次回2月1日号では、「気候変動による自然生態系への影響」に関する情報をご紹介します。
問合せ:気候変動対策準備室(企画政策課)
【電話】484-3374
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