■平和条例
市では、健康で平和な生活を維持することを市民共通の願いとして、平成7年に、「平和都市宣言」を含む「佐倉市平和行政の基本に関する条例」を制定しました。
条例の第2条では、「佐倉市は、日本国憲法の基本理念である恒久平和の実現に努めるとともに、市民が平和で安全な環境のもとに、人間としての基本的な権利と豊かな生活を維持できるよう、平和都市を宣言し、この精神に基づき平和行政を推進する。」と定めており、これに基づいて平和事業に取り組んでいます。
■平和都市宣言~非核三原則を守り核兵器廃絶をめざして~
豊かな自然に恵まれた歴史と文化のまち佐倉。この良好な環境のなかで、やすらぎに満ち、健康で平和な生活を維持することが佐倉市民共通の願いです。
佐倉市民は、悲惨な紛争や戦争のない世界を強く願い、軍縮の推進はもとより、特に、人類および地球の破滅につながる核について非核三原則を守り、核兵器の全面禁止と廃絶をめざして、最大の努力をしなければなりません。
戦後50年目の年にあたり、佐倉市民は、戦争の犠牲者に追悼の誠を捧げ、国際社会の一員として、国際協調の視点をふまえ、世界の恒久平和を実現するために「平和都市」を宣言します。
■佐倉平和使節団
核兵器の恐ろしさ、平和の尊さを学ぶため、市内中学生の代表を広島・長崎の被爆地に派遣しています。
平成8年から昨年までに、計409人を広島・長崎に派遣しており、今年は、中学生24人が8月8日~10日に長崎市を訪問します。
被爆地訪問後、平和使節団の生徒は、佐倉市平和式典で活動報告、戦没者追悼式で群読を行うほか、全校集会などで使節団の体験を発表し、平和への思いを同世代の仲間たちにつないでいます。
※今年度の長崎訪問の詳細は、こうほう佐倉9月15日号でお知らせします
▽佐倉平和使節団基金
中学生の派遣費用は、「佐倉平和使節団基金(平成26年12月17日条例制定)」から充てられています。この基金は、市内にお住まいだった、故山本昌司さんのご寄附2000万円を原資に設置したものです。山本さんは、平成27年にご逝去されましたが、遺言により、さらに約1億913万円が佐倉平和使節団事業に遺贈されました。
■市内の戦争遺構
市内には、現在の国立歴史民俗博物館がある場所に置かれていた陸軍連隊の兵営跡や、戦没者の追悼と平和を願って建てられた石碑などがあります。これらの戦争遺構をまとめたリーフレット「伝えていきたい佐倉市の戦争と平和」は、市の行事などで配布しています。
※市ホームページでもリーフレットをご覧いただけます
※二次元コードは、本紙をご覧ください。
■平和学習支援
今年度、新たな事業として、市内在住・在学の小・中・高校生を対象に、茨城県の阿見町にある「予科練平和記念館」の観覧料補助を開始しました。
海軍のパイロット養成施設であった「予科練」では、現在の中学生から高校生くらいの年齢の少年たちが訓練を受けていましたが、第二次世界大戦時、たくさんの卒業生が戦場で亡くなりました。
記念館では、戦時中に少年たちが何を考え、どのように暮らしていたのか、当時の写真や資料を通して紹介しています。
※詳細は市ホームページをご覧ください
※二次元コードは、本紙をご覧ください。
■戦争の記憶と平和への思いを未来に
佐倉市長 西田 三十五
戦後79年が経ち、戦争を経験されたかたの高齢化が進む中、その記憶の継承が全国的な課題となっています。
市では、平成7年に、全国で4番目となる「平和条例」を制定して以来、佐倉平和使節団事業をはじめ、小学校での戦争体験講話と映画上映、パネル展示などの事業を行っています。また、市民団体と連携して講演会や展示会などを開催し、戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代に伝えてまいりました。参加した子どもたちが、平和への思いを自分の言葉で周りの人たちに伝えている姿を見ると、私たち大人も、誰もが安心して暮らせる平和な世界の実現のため、より一層の努力をしなければならないと強く感じます。
今後も、市民の皆さんと一緒に、恒久の世界平和を目指し、さまざまな事業に取り組んでまいります。
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