病気やけがで療養生活が突然始まったら―。皆さんは、人生の最期をどこで過ごしたいですか。その選択肢の一つとして、自宅などの住み慣れた場所で訪問医療やケアを受けて療養する「在宅療養」をご紹介します。
匝瑳市内の高齢者などを対象とした「令和5年匝瑳市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」によると、「どこで人生の最期を迎えたいですか」という質問に対し、「自宅等(住み慣れた居住の場)」と回答した割合は約60.8%(図1)で、半数以上の人が自宅で最期を迎えたいという結果になりました。
図1 あなたが人生の最期を迎えようとする時、どこで最期を迎えたいですか
(回答者数:1441)
◆在宅療養とは
病院への入院や老人ホームへの入所など、医療や介護を受けながら療養生活を送る方法はいくつかあります。「在宅療養」はそのうちの一つで、住み慣れた自宅などで、医療や介護の訪問サービスなどを受けながら療養生活を送ることです。
在宅療養には、次のようなメリットがあります。
・住み慣れた環境で医療を受けることができる
・家族のいる環境で毎日過ごすことができる
・一般的に入院治療を続けるより経済的負担が小さくなる
◆充実のサポート
在宅療養では、医師や訪問看護師など多くの専門職が自宅を訪問し、患者や家族をサポートします。在宅療養を支える職種を紹介します。
・医師…訪問して日常的な治療(症状の診察や医療処置、薬の処方など)や健康管理を行います。
※訪問診療が必要かどうかは主治医に相談してください。
・訪問看護師…医師から訪問看護指示書を受け、療養上の世話、医療処置、健康チェックを行います。
・歯科医師・歯科衛生士…自宅で可能な歯科治療、入れ歯調整、口腔(こうくう)ケアを行います。
・薬剤師…医師の指示により薬の飲み方や薬の管理をサポートします。
・理学療法士・作業療法士…身体機能の回復や関節拘縮の予防、介護者の介助動作の指導などを行います。
・ケアマネジャー…本人や家族と話し合い、介護サービスを調整します。
・ホームヘルパー…食事介助や炊事、入浴、排せつ介助など、日常生活における身体介護や家事援助を行います。
・福祉用具事業所…介護用ベッドや車椅子などを貸し出し、設置します。
◆家族とよく話し合おう
「令和5年匝瑳市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」によると、「人生の最期をどのように迎えたいか家族と話し合ったことがありますか」という質問に対し、「話し合ったことがない」と回答した割合は約64.1%(=図2)でした。前もって家族などと話し合っておくことで、自分の気持ちに沿った治療やケアを受けられる可能性が高くなります。
高齢者支援課(市役所1階)では、こうした話し合いの参考となるパンフレットを配布しています。人生の最期をどのように過ごしたいか、家族で話し合ってみましょう。
図2 人生の最期をどのように迎えたいか家族と話し合ったことがありますか
(回答者数:1441)
※「令和5年匝瑳市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」より。四捨五入の関係により割合の合計は100%となりません。
問合せ:高齢者支援課地域包括支援センター
【電話】73-0033
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