■市指定有形文化財(古文書)
「源氏里見系図(げんじさとみけいず)」
所在地:本織(もとおり)2014-1(三芳地区)
所有者:延命寺(曹洞宗)
□里見氏の事績を記した貴重な系図
三芳地区本織にある延命寺は、永正(えいしょう)17年(1520)に房総里見氏の武将・里見実堯(さとみさねたか)(?~1533)が開基(かいき)した寺院です。同寺には里見氏に関係する寺宝や古文書がいくつも残されていますが、その中の一つに源氏里見系図という巻物があります。
源氏里見系図は、「乾(けん)」と「坤(こん)」の2巻で構成されており、長さは2巻合計で約20ⅿに及びます。「乾」の巻は、清和天皇(せいわてんのう)(850~881)を始祖とする源氏一族の系譜(けいふ)が、保元(ほうげん)の乱(らん)(1156)の時代まで記されています。一方の「坤」の巻は、源氏の嫡流(ちゃくりゅう)から分かれた新田氏(にったし)、そして新田氏から分かれた里見氏の系譜が記されており、特に房総里見氏の初代当主・義実(よしざね)(生没年不明)から、最後の当主・忠義(ただよし)(1594~1622)までの事績が詳しく書かれています。また、巻末の跋文(ばつぶん)(あとがき)には、延宝(えんぽう)8年(1680)に江戸の平山勝岑(ひらやまかつみね)という人物が編集したと書かれています。
里見氏の系図は各地に何点か存在していますが、系図によって内容に大小の違いが見られます。その中でも延命寺の源氏里見系図は、作られた来歴がはっきりしているため、古くから比較的正確な系図と考えられてきました。江戸時代の元禄(げんろく)9年(1696)には、藩主・徳川光圀(とくがわみつくに)(1628~1701)の命令で歴史書の編さん事業を行っていた水戸藩(みとはん)にこの系図を貸し出したこともあり、現在に至るまで里見氏の研究の基礎となる重要な史料として扱われています。
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