■県指定天然記念物
『平久里天神社(へぐりてんじんじゃ)くすの木(き)』
所在地/平久里中(へぐりなか)208(富山地区)
所有者/天神社
□天狗(てんぐ)伝説をもつ巨大なクスノキ
伊予ケ岳(いよがたけ)の登山口にある天神社の参道には、参拝者や登山者を見守るように、2本の巨大なクスノキが並んでいます。このクスノキは、地元の人々から「夫婦(めおと)クスノキ」と呼ばれており、参道手前にあるのが女木(めぎ)で、奥にあるのが男木(おぎ)とされています。
クスノキは、中国南部から本州の温暖な地域に分布しているクスノキ科の常緑広葉樹(じょうりょくこうようじゅ)です。南房総でもよく見られる樹木ですが、中でも天神社にある2本は富山地区を代表する巨木であり、平成初期の計測では、女木が幹周(かんしゅう)435cm・樹高(じゅこう)15m、男木が幹周425cm・樹高25mであることが判明しています。正確な樹齢(じゅれい)は不明ですが、言い伝えでは地元の住民が千年前に植えたとされています。
また、古くから天神社の御神木(ごしんぼく)として祀(まつ)られてきた夫婦クスノキには、伊予ケ岳の天狗にまつわる民話が残されています。その昔、人里で悪さをする天狗に困った村人が、この夫婦クスノキに祈ったところ、女木が幹の中に天狗を閉じ込めて懲(こ)らしめたそうです。女木の根元にある大きな空洞は、閉じ込められた天狗が雲に姿を変えて逃げ出した際にできたと言われています。
□公開
・常時公開
・トイレあり/駐車場あり
*マナーを守って楽しく見学しましょう。
*見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。
問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963
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