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多古中央病院から

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千葉県多古町

■鉄欠乏性貧血
文/多古中央病院 検査科

貧血にはいくつか種類があり、その中でも代表的なものが鉄欠乏性貧血です。
これは、赤血球細胞内の重要なタンパク質であるヘモグロビンを構成する鉄が不足して起こる貧血です。日本では頻度の高い貧血で、成人女性の約25%が発症しているといわれています。鉄不足の原因として、偏食や胃腸切除などによる吸収低下、月経などの性器出血や消化管出血による排泄増加、成長期や妊娠・授乳に伴う需要増加が挙げられます。
鉄欠乏性貧血の診断は、採血をしてヘモグロビン(Hb)の量を調べて行います。成人男性や新生児ではHb13gdl以下、成人女性や学童ではHb12gdl以下、高齢者や乳幼児ではHb11gdl以下だと診断されます。また、Hb7~8gdl以下になるとほとんどの患者さんに次のような症状が見られます。
鉄不足の状態が続くと、全身の倦怠感やめまい、耳鳴り、動悸、息切れなどの自覚症状、眼瞼結膜(がんけんけつまく=まぶたの裏側の粘膜)や顔面の蒼白などの他覚症状といった貧血の症状が現れます。それ以外にも、さじ状爪(爪が薄く平坦になる)や舌炎、口角炎、嚥えん下げ障害、異食症(氷を食べたがるなど)のような症状が見られます。
鉄欠乏性貧血と診断されたときは、鉄が不足する原因を調べることが重要です。女性であれば子宮筋腫などの婦人科疾患、男性や閉経後の女性であれば消化器疾患による出血が原因であると疑われます。
治療法には、鉄の量を増やすために鉄剤の内服や注射を用います。治療期間は2~6カ月程度のことが多いです。

◇病院便り
多古中央病院の受付時間は午前11時30分までとなっています。それ以降は、医師も検査や手術などで対応できないこともあるため、受診前に、必ず確認の電話をお願いします。

【電話】76-2211

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