令和6年11月25日【第5号】
大多喜町役場農林課農政係
地域おこし協力隊 渡邊未来
■まもる・とる・キレイにする! 獣害対策3本柱をバランスよく
大多喜町では、行政・集落・個人が協力し合って行う総合的な獣害対策をすすめています。総合的な獣害対策とは、【まもる】(柵やネットによる防護)、【とる】(捕獲)、【キレイにする】(草刈りや放置果樹伐採などの環境整備)という3つの対策を同時に行うことで、より効率的に成果をあげられる取り組みです。大多喜町では各対策について、さまざまな補助金制度があります。
【まもる】動物から敷地を防護する柵を設置する場合、事前申請で補助金が出ます。電気柵または物理柵(金網やネットなど)を農地または家庭菜園や花壇に設置する場合は、費用の1/3・上限3万円。住宅を囲う柵を設置する場合は、費用の1/3・上限1.5万円まで補助対象です。
■ひとつだけでは効果が薄い できる範囲で少しずつ続けよう
【とる】わな猟は銃猟に比べて初期投資が少なく、手続きも簡単で始めやすいと言えます。新たにわな猟免許を取得する場合、18才以上で事前申請すれば、講習会と免許試験費用(約1.5万円)の2/3の補助が出ます。
さらに猟友会所属の有害鳥獣捕獲従事者になると、町から箱わなや補助機器の貸与制度があります。また、一年を通して指定鳥獣の捕獲ができ、捕獲報奨金も出ます。何より農家の方や敷地侵入被害に遭われている方にとっては非常に助けになります。
【キレイにする】生ごみ処理容器(コンポスト)購入も補助対象です。環境水道課へ事前申請すると、コンポスト価格の1/2・上限2,500円、電気式生ごみ処理機では価格の1/2、上限2.5万円まで補助金が出ます。肥料価格も高騰する中、食べきれない果物や刈った雑草をコンポストに入れることで、動物が寄りつくのを防ぎ、お庭も片付き肥料も作れて一石三鳥です。
獣害対策は長い道のりではありますが、少しずつ続けていけば、だんだんと結果に現れてきます。住民の皆さん一人ひとりの意識と行動により、将来も住みやすく安全な町を保つことにつながります。
■ご家庭でできる総合対策
(1)【まもる】収穫後こそ入れない動物にエサの場所を覚えられないためには、収穫後にも徹底して追い払い、『ここはエサもないし怖い人間がいる所だ』と学習させることが大切です。
(2)【とる】情報共有ご近所の猟師さんや獣害対策実施隊に被害情報を教えていただくと、効率的な捕獲につながります。
(3)【キレイにする】隠れ家をなくす過ごしやすい秋の時期に、竹やぶや庭木を間伐して、動物がひそみにくいようにしましょう。
■町の捕獲状況
種類・R6年9月・前年同月:
・イノシシ…224頭/110頭
・シカ…33頭/30頭
・キョン…37頭/23頭
・サル…4頭/3頭
実りの秋、イノシシがオリわなのエサに寄らなくなり、サルの群れが柿や栗を狙いに来ます。エサになるものは放置せずできるかぎり収穫し、伐採して枝数をへらすなど、ご協力をお願いします。
獣害対策について知りたい情報や実施しているコツなどがありましたら、精査後こちらで記事にいたしますので、ぜひご意見をお寄せください。
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