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特集 アトリエ『土偶ZANMAI』大多喜町大田代に新規開設!!

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千葉県大多喜町

12月8日(金)、アトリエ『土偶ZANMAI』が千葉市より大多喜町大田代に新規開設しました。田野紀代子さん(73)が約15年に亘って製作してきた縄文時代の土偶約450体をアトリエで展示しています。
アトリエ『土偶ZANMAI』を開設した田野さんに土偶との出会いや魅力など伺いました。

■土偶との出会い
知人より縄文土器が面白いと言うことを聞き、千葉市立加曽利貝塚博物館の縄文土器体験講座に参加。体験してみて、縄文土器の奥深さ、縄文考古学の面白さに取り憑かれ、深く追究し始めました。
土器の資料を探していた時に、初めて土偶を見ました。なんてかわいい、凄いものなのだろうという印象から土偶追究が始まりました。1万年もの長い間、平和に暮らしたという縄文時代に土偶の存在は大変な位置を占めていたと考えます。縄文時代しか存在しない土偶の神秘性に魅了され、彼らの精神社会の在り方、存在意義を解明したく製作・研究に没頭しています。

■土偶の魅力
土偶の魅力をひと言では語ることができませんが製作している時、素焼きの人形ではあるのですが、作り手の思いや、それを敬う人々の姿を、土偶を通して感じる様にしています。それは難しい事なのですが、土偶を作ることに神経を集中させると、縄文人の土偶に対する思いが伝わってくるような気がするのです。ですから縄文人の使ったであろう材料や道具、焼き方で縄文時代のように土偶を作り上げる事が私は重要と考えています。
縄文人の手で作られてきた土偶は、1万年という長い時間にも拘わらず、現在、土偶は約2万個しか出土していません。また、全部が完全体ではなく、脚の一部や腕の一部、体の一部などを含みます。土器の出土と比べるとほんの一握りしか発掘されていません。それだけで土偶は貴重な数少ない存在だったことが分かります。
縄文人は、土偶に神や精霊を素焼きの人形に写して祈りを捧げてきた思いを考えると、悲しさや苦しさが伝わってくる気がし、知れば知るほど作れば作るほど不思議な魅力が私を未知の世界に引きずり込んでいきます。答えがわからないのを考え想像する、それが魅力の一つです。

■田野さんの思い
私がこのアトリエを建てたのは、縄文時代のすばらしい世界に誇れる日本の大切な文化遺産である土偶を皆さんに少しでも知って頂けたらという思いからです。ここは日本唯一の出土土偶を模倣した『土偶博物館』です。
ここに来れば「全国の土偶が見られる」「収蔵庫からなかなか出されない土偶がみられる」「土偶の変遷も分かる」「日本人の祈りの原点が探れるのでは…」と考えています。
出土した形ある土偶をこれからも作り続けていきたいと思います。

(注)
縄文時代は今から13000年前から2300年くらい前の約1万年間続いた時代です。
最近では、はじまりを15000年前、終わりを2700年前と書いているものも多くあります。

写真:※詳細は、本紙またはPDF版55ページをご覧ください。
・1 アトリエ『土偶ZANMAI』土偶作家 田野紀代子さん
・2・3 アトリエ『土偶ZANMAI』の様子

▽土偶・縄文土器 アトリエ『土偶ZANMAI』
住所:千葉県夷隅郡大多喜町大田代784 最寄り駅「養老渓谷駅」から車で15分
見学は金・土・日(10:00~16:00)お越しの際は事前に予約が必要です。

問合せ:田野
【E-mail】0521himeko@gmail.com

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