「NPO法人自殺防止ネットワーク風」代表を務める篠原鋭一先生が、人生を楽しくするレシピをご紹介します。
■「お父さん・お母さんにお願いします」
お父さん・お母さんにお願いします。
「お前がいるから幸せなんだ」
「わたしはあなたがいるから、幸せな人生を歩むことができているの」
「お前の帰る港はここなんだよ、わが家なんだよ!」
とお子さんに繰り返し繰り返し伝えていただきたいのです。
そして次のことを実行してください。
(1)お父さんとお母さんは仲良しで、とても愛し合っていることを態度で見せてください。
(2)どんなちいさなことでもほめてあげてください。
“九ほめて一つだけ叱る”などと言われますが“十ほめて一つも叱らない”くらいの寛容さをしめしてください。
(3)「お前がいると、お父さん・お母さんはうれしいよ」と言葉に出して告げてください。
(4)「挨拶の仕方」「マナー」「お金の正しい使い方」など、社会人として生きていくうえで必要なことを教えてください。
(5)お子さんの友だちを認め、わが子のように大切にしてください。家に連れてきたときは心から歓迎しましょう。
『みんなでのばそうひとの子わが子』を覚えてください。
少し中学生の心をのぞいてみましょうか。
「成績が良くて健康でやさしくて素直になれと父は欲ばり」
中学二年生の女の子です。
“お父さんがいつも言うことは、成績が良くて健康で、優しくて素直な人間になれということです。なんて欲張りなんだろう。こんなにも何もかもが整っている人に、すぐなれるわけないでしょう!”と彼女は訴えています。
「おれの夢必ずお前が果たせよと重い期待で背も伸びずに」
中学二年生の男の子です。
“お父さんが、自分の夢を僕に果たせという。僕にとっては重い期待にすぎず、おれ、背も伸びないよ”
次は中学一年生の男の子です。
「うちの子はまるでだめだと大声で客間で笑う父を許さず」
お父さんはお客さんに謙遜して、「うちの子はまるでだめですよ、ワッハッハ」と言ったのでしょうが、隣の部屋で聞いた彼の心は、いたく傷ついたに違いありません。
無口な中学生・高校生。けれどその心にひそんでいる大人たちへの訴えに、耳を傾けることも忘れないでください。
▽篠原鋭一(えいいち)氏
1944年兵庫県生まれ。駒澤大学仏教学部卒業。
千葉県成田市曹洞宗長寿院住職。曹洞宗総合研究センター講師。
同宗千葉県宗務所長、人権啓発相談員等を歴任。
「NPO法人自殺防止ネットワーク風」代表。
公立の小学校・中学校・高等学校を巡り「いのちを見つめる」課外授業を続けている。
「生きている間にお寺へ」と寺院を開放。
「少年院」「拘置所」で特殊詐欺犯罪の結末を説き続けている。
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