■栄町のちば文化資産「龍角寺古墳群・岩屋古墳」
栄町で追加選定された「ちば文化資産」について、今月号では、「龍角寺古墳群・岩屋古墳」をご紹介します。
龍角寺古墳群・岩屋古墳は、現在115基が確認されている国の指定史跡です。
史跡の範囲は、千葉県で最も広い面積を有します。
龍角寺古墳群は、6世紀から7世紀(500年代から600年代)にかけて築かれました。印旛沼を望む台地の上に群れを成すように立地しています。古墳時代の当時は、銚子から流れ込む香取海に面していたと考えられています。
坂田ヶ池総合公園を見下ろす場所に位置する101号墳は、埴輪が並ぶ、ホタテ貝の形をした前方後円墳です。6世紀初めに築造され、約1世紀もの間、数世代にわたり埋葬が行われていました。埴輪の実物は、今年の春にリニューアルオープンしたばかりの風土記の丘資料館において展示されています。
資料館から龍角寺へ伸びる「白鳳の道」の途中に、浅間山古墳があります。浅間山古墳は7世紀初頭に築造された県内で「最後の前方後円墳」とも言われています。石室から発見された金銅製や銀製の冠飾をはじめとする副葬品は、県の指定文化財です。資料館では、副葬品や再現された石室が展示されています。
そして、当古墳群を代表する古墳が、岩屋古墳です。約76m四方の方墳です。方墳の周りには二重に溝が巡らされていて、溝まで含めると、100m四方を超える非常に大規模な古墳です。大和政権の大王墓が前方後円墳ではなく、方墳を採用していた7世紀の飛鳥時代にあって、国内最大規模を誇ります。
岩屋古墳は、2つの石室を有していて、江戸時代にはすでに露出し、副葬品などは発見されていません。一体どんな人物が埋葬されていたのか、ロマンは尽きません。
時代は下りますが、江戸時代中期に書かれた「相馬日記」には、岩屋古墳の石室に、お膳を貸してくれる妖怪「隠れ座頭」が住んでいたとの言い伝えが記録され、その伝説は龍角寺の七不思議の一つになっています。
文化の日には、岩屋古墳で、当古墳群の歴史や伝説を町の文化財サポーターがガイドをします。千葉県を代表する古墳群の魅力を味わってみませんか。
生涯学習課文化財班
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