今月のテーマ:今日からはじめる減塩~家族みんなで取り組もう~
管理栄養士:中村智美
長年の食塩の摂りすぎは、将来の高血圧につながります。血圧は歳をとってから急に上がるものではありません。家族みんなで減塩に取り組み、子どもの頃から「減塩」を習慣化し、将来の生活習慣病を予防しましょう。
●食塩摂取目標量と現状
厚生労働省が定める日本の食塩摂取目標量(15歳以上)は、1日当たり男性7.5g未満、女性6.5g未満ですが、現状は、約3gも多い状況です。また、大人だけでなく、15歳未満の子どもも食塩を摂り過ぎている現状があります。
子どもの味覚や食習慣を決めるのは大人です。子どもの頃からうす味習慣が身につけば、それが家庭の味となり、大人になっても自然と減塩につながります。
《子どもの食塩摂取目標量と現状》
目標量:日本人の食事摂取基準 2020年
摂取量:国民健康・栄養調査 2019年
●減塩のコツ
《調理のポイント》
○うま味を利用する
昆布、かつお節、きのこ、トマト、肉など、うま味のある食材を使うことで料理の味に深みが出て、調味料を減らすことができます。
○新鮮な食材を使う
新鮮なものや旬のものは、濃い味付けをしなくても十分食材そのものの美味しさを楽しむことができます。
○酸味・辛味・香りで工夫
柑橘類や食酢などの酸味は、塩味を引き立たせてくれます。辛味のピリッとした刺激は、メリハリの利いた味わいが魅力です。また、香りが加わることで臭覚が刺激され、満足感が増します。
●食事のポイント
○調味料を使うとき
調味料を足すときは、まず味見をしましょう。足す際は、全体にかけずに小皿にとってつけるようにしましょう。
○麺類の汁は残そう
汁を全部残せば、2~3g減塩することができます。
○汁物は具沢山にする
具沢山にすることで汁の量を少なくすることができて減塩につながります。
●隠れた食塩に注意
調味料だけでなく、食品自体にも食塩は含まれています。主なものとして、食肉・魚肉加工品が挙げられます。
また、ご飯以外の主食にも意外と食塩が含まれています。
○主食
・食パン(6枚切り1枚)0.8g
・ゆでうどん(200g)0.6g
○食肉・魚肉加工品など
・辛子明太子(1/2腹)2.6g
・ソーセージ(1本)0.5g
・かまぼこ(2切)0.6g
・スライスチーズ(1枚)0.5g
○その他
・しょうゆせんべい(1枚)0.4g
・きゅうりの漬物(30g)0.7g
出典:日本食品標準成分表2020年版 女子栄養大学出版部「毎日の食事のカロリーガイド改訂版」「五訂食品標準成分表」対応早わかり
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