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〔特集〕食わっせえ、お煎餅。

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千葉県銚子市

いまや銚子のソウルフード。
銚子名物ぬれ煎餅。発祥の煎餅店主人にお話を聞いた。
漁師町のガツンと濃いめな味に多くのファンも。
遠くの家族や友人、地元の人も懐かしい気持ちにする魔法のお菓子の生い立ちを紹介。

■NURESEN NO HAJIMARI ぬれせん誕生秘話
◇おまけから始まる
「ぬれ煎餅は、柏屋の二代目雄次の代に作業工程で偶然生まれた副産物。醤油のタレが染みすぎたお煎餅を、おまけで配っていた。これが大人気となり、お客さんからのリクエストで商品化された」
大正4年創業。昭和35年から、おまけとして配り始め昭和38年に商品化。
焼きたての煎餅は、冷ましてから醤油のタレに染みこませる。これを熱いうちに浸すと、染み込みすぎた「しょっぱい煎餅」が副産物として誕生した。この、はね出しのお煎餅がぬれ煎餅になった。

◇いまや銚子の名物に
「認知されるまでは、しけているなどの苦情もあった。昭和50年代以降、雑誌やテレビで紹介されるなど、徐々に露出が増え、極めつけは銚子電鉄が火付け役になった。銚電のネームバリューで全国にぬれ煎餅の名前が広がった」
「昔はもっとしょっぱかった。今と昔は醤油も違う。時代の変化に合わせて味を追求していきたい」銚子ならではの大切なお煎餅の文化を後世に残し、伝えていきたい。

「柔らかく、醤油のタレが染みこんでいる銚子のソウルフードと言えるお煎餅。保存は冷蔵庫が最適。」

■コメトーーク!五つ星お米マイスター
明治32年創業。近隣市町で唯一の煎餅生地屋さん。お煎餅屋さんの発注を一手に担う、根本商店の五代目店主と対談。

◇生地作りのこだわり
質の良いお米は、粘りが出すぎる。新米・古米の良い塩梅が重要。
季節の変わり目は生地作りが特に難しい。気温や湿度の変化を考え、焼く温度や蒸す時間を手作業で変え、お煎餅屋さんごとの、こだわりの注文に対応している。

◇いま、食べたい。銚子の煎餅
時代が進み、大家族から核家族、単身世帯が増えた。家族構成に合わせて、個包装のもの、一口サイズでこぼれないもの、食べ切れるものも増えてきた。
どのお煎餅屋さんの看板商品も時代を超えて愛されている。
こだわりを持って焼き上げているから本当に美味しい。この特集をきっかけに、市内のお煎餅を食べ比べてほしい。

◇お煎餅が抱える課題は?
お菓子も多様化し、洋菓子も広く普及。遠くの銘菓も手軽に買えるようになった。
チョコや黒糖、ザラメなど甘いものに力を入れて工夫をこらしているお店もある。時代の変化に対応して、どのお店も知恵を絞って特色を出している。
ぬれ煎餅は、あくまできっかけ。銚子を好きになって、何回も来て、食べて、楽しんでほしい。日持ちして、おつかいものにもしやすい銚子のお煎餅を試しに食ってみらっせえ!

「昔ながらの製法。お米から製粉、蒸練機で蒸かし、しんこ餅を作りお煎餅の形に。」
「店ごとに型が違うよ」

◇RICE IS WONDERFUL
五つ星お米マイスター
根本商店 五代目 根本吉規さん
・県内で15人。「五つ星お米マイスター」取得
・お煎餅屋さんからのオーダー生地を作る
・国産うるち米100%、無添加、グルテンフリー

自社製品のかんたん手焼きせんべいの素は、「おみやげグランプリ2018」でクールジャパン賞を受賞。
アメリカのジャパンフェスティバルヒューストンに招待され、日本のお煎餅文化を発信した。

問い合わせ:根本商店
【電話】22-0228
外川町2-10599

■柏屋米菓手焼本舗
大正4年創業。ぬれ煎餅発祥、「ぬれせん」の商標登録を持つお店。熱いうちに生醤油に浸した、もちもちの触感と塩辛さが特徴的。

◇元祖「ぬれせん」
かたさ ★★★★
大きさ ★★★
しょっぱさ ★★★★
堅い所とタレの染みた柔らかい部分のコントラストがやみつきに。
運が良ければ激レアお煎餅「ゆげたち」に出会える。

三代目店主 横山俊二さん

■イシガミ
銚子電鉄にぬれ煎餅作りを伝授した老舗。
当時販売員のてるよさんが焼き方を指導。
「銚子電鉄が走り続ける。銚子がぬれ煎餅で盛り上がってくれたら良い」銚子駅前にカフェを開店するなど、新たな取組にも挑戦している。

◇「ぬれ煎餅うす味」
かたさ ★★★
大きさ ★★★★
しょっぱさ ★★★
他社と比べて厚め。中央までタレを染みこませず、お米の味を残している。
素材のまま食べても美味しいことが自慢の一品。

三代目店主 石上てるよさん

■福屋
ファン続出、不動の人気「ざらめ」をはじめ、あられやぬれ煎餅などを備長炭で1枚1枚、丁寧に焼きあげている。
もち米の「おかき」の生地はこだわりの自家製。
店構えも素敵。イオン銚子店にも出店している。

◇「ざらめ」
かたさ ★★★
大きさ ★★★
しょっぱさ ★
しっとりやわらかいのに、サクッとした食感。秘伝ダレと、ざらめ砂糖の甘さが互いの美味しさを余すことなく引き立てている。

三代目店主(予定) 石上純也さん

■横山米菓
昭和38年創業以来、伝統の味を守る。
旦那から作り方を教わらず、こっそり台所でレシピを覚えた。
生涯現役。親切丁寧な接客がモットー。

◇「手焼きせんべい」
かたさ ★★★
大きさ ★★
しょっぱさ ★★
お米の粒が残る粗挽きの歯ごたえあるお煎餅。
どこか懐かしい素朴で優しいタレの味には女将さんの人柄が表れている。

二代目店主 横山孝子さん

■久保木米菓
戦後、愛宕町に移転。
特製の炭火焼き炉で焼き上げる。
大人気の姫小丸は、サックサク!手が止まらなくなる逸品。
地元の小学生が毎年社会科見学に。あとで家族で一緒に買いに来る光景は微笑ましい

◇「姫小丸」
かたさ ★★
大きさ ★
しょっぱさ ★★★★★
ちょうしブランド。
胡麻と一味唐辛子の入った一口サイズの小さなお煎餅。康晴さんの代で辛さを増した。

三代目店主 久保木康晴さん

■銚子電鉄
2006年の廃線危機。ぬれ煎餅販売で修繕費用などの捻出を呼びかけたことが、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で広く周知され、注文や激励のメールが殺到した。
今では売上の8割が食品事業。銚電の運行を支えている。

◇「赤の濃い口味」
かたさ ★★★
大きさ ★★★★
しょっぱさ ★★★★
1番人気の濃い口味。
お醤油の味を前面に押し出し、後をひく、クセのある味に。
「もう一度」がテーマ。

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