雨が増えると、土中の水分が増えることで土砂災害の危険性が増大します。これから3回は土砂災害についてお話をします。
今回は「斜面崩壊」、一般的に言うところの山崩れ・崖崩れです。発生しやすい箇所にはいくつかの特徴があります。
(1)傾斜角30度以上の急斜面
(2)斜面の途中で傾斜が突然急になるところがある斜面
(3)谷(凹)型の斜面(反対は尾根型・凸型)
(4)斜面の上部に緩やかな広い面を持つ斜面
(1)と(2)は物理的な落下のチカラを表し、(3)と(4)は水による影響を表します。また、一般的に、岩盤が崩壊する危険性より表面土層が崩れる危険性が高いので植生のある斜面の方が危険です。特に、湧き水は、雨水の浸透を示すものなので要注意です。雨が降ると湧き水が増加し、それが濁るところは危険なので、普段からよく観察してください。
町内にも危険な箇所は、多くありますが、それらがすべて崩れるわけではありません。実際には、土層内部の欠陥によるものなので、外からの観察で100%予測することは困難ですが、影響の出る範囲はかなりはっきりとしています。
普通の崖崩れの場合、崩れた土砂が落ちてくる場所は、崖の末端から、崖の高さと同じ距離内であることがほとんどです。崖下から下り斜面になっている場合は更に流下するので、安全係数を見込んで、崖の高さの2~3倍の距離を離れれば、ほぼ影響が無いものと見込まれます。
普段から、周囲の崖に注意して観察し、危険な兆候を発見したら、崖から離れましょう。家から出られなくても、崖から離れた部屋や2階等に避難するだけでも危険性は大きく下がります。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>