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防災の豆知識 第17回 クラッシュシンドローム

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千葉県鋸南町

前3回の番外編として、「クラッシュシンドローム」についてお話をします。
倒壊した建物や家具等に長時間挟まれていた人が、救出後、容体が急変して亡くなってしまうことがあります。これは、阪神大震災以来、有名になった「クラッシュシンドローム」によるものです。
クラッシュシンドロームは、筋肉の負傷・壊死によって発生した毒性物質(カリウム・ミオグロビン等)が、圧迫からの解放に伴い血流にのって全身に運ばれ、心臓や腎臓等の多臓器不全を起こす症状で、重篤な場合は死に至ります。その兆候としては、
(1)負傷・挟まれている部位がパンパンに腫れたり、点状に出血が見られる。
(2)尿が茶褐色に変色
以上の様子が見られたら極めて危険です。また、多くの場合、知覚麻痺や運動麻痺が見られるとの報告もあります。
また、特徴として、
(1)2時間以上挟まれていた場合、発生率が激増する。
(2)女性より男性、高齢者より若年者が発生しやすい(筋肉量が多い方が発生しやすい)
とも言われています。
対応としては、
(1)救出後は、迅速に透析可能な医療機関への搬送
(2)飲める範囲で大量(1ℓ以上)の水を飲ませる。(カリウム等の毒性物質の血中濃度を下げるための緊急的措置なので、ミネラルウォーター(硬水)はダメです)
(3)発症の危険性が高く、医療機関への搬送に時間がかかる場合は、状況により止血帯法で血流を抑える。(止血帯法はリスクも高いので最小限かつ血流管理を行う)
発症の危険性を抑えるためにも、周囲の皆さんと協力して努めて、迅速に、救出を行いましょう。逆に、長時間挟まれており、すでに発症の兆候・危険性が高い場合は、急いで救出することなく、先に医療・搬送体制を整えるのを待ってから救助を行いましょう。

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