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お茶の間博物館 415

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千葉県館山市

◆シリーズ 関東大震災と館山 (6)救援活動、復興へ
関東大震災の発生後、安房では安房郡長を中心に、郡役所職員や警察署員、青年団員などによって救援活動が行われました。現在の北条病院付近にあった郡役所は震災により庁舎が全壊し、小屋掛けの仮事務所を設けて事務を行いました。郡長は県庁へ救援を要請する急使を送るとともに、館山にある県水産試験場に汽船の出航を依頼しました。地震による海底の隆起・陥没や灯台の全滅のため、航海は危険な状況でしたが、9月3日の未明に千葉へ出航、翌4日の夜に玄米100俵や県の派遣員・看護婦を乗せて、館山へ帰着しています。
また、市街地ほど被害の大きくなかった滝田村の青年団によって、2日未明に大量の炊き出しが郡役所に運ばれました。9日には山武郡千代田村(現芝山町)から慰問袋が届き、その後、全国各地から食料品や布団・衣類・薬品などの支援物資が届けられました。県内の他、特に大阪・兵庫・愛媛から多数の物資が届いています。陸上交通が途絶えたため、物資は海上交通を利用して館山港へ運ばれました。
安房郡内町村の青年団は、被害が大きくなかった地域を中心に、総動員で救援活動にあたりました。平群村のべ551人、丸村のべ520人など、多くの青年団員が郡内町村での活動に従事しました。活動内容は、死傷者への対応、医薬・衛生材料・食料品の収集、倒壊家屋等の整理による交通路の回復、救援物資等の陸揚げ・配給、各町村への情報伝達などで、青年団の協力が無ければ実行は不可能でした。
こうした救援活動の一方、9月21日には安房郡長と郡内有志によって安房郡震災復興会の発起人会が開催されます。郡内の官民が協力して復興を実現するための団体で、県への陳情や小学校・住宅等の建設資金貸付を行いました。
写真の冊子は、震災の翌年にあたる大正13年(1924)7月に発行された『復興の房州』です。東京在住の著者が実際に郡内を巡り、震災の被害状況とともに、町並みや旅館、海水浴場・温泉等の復興の様子を紹介しています。まだ仮設の建物も多い状況でしたが、観光客の回復を図るため、観光地房州の復興をいち早くアピールする書籍として発行されました。
昨年は「関東大震災から100年」となる節目の年でした。今年も能登半島地震が発生したように、大規模な災害はいつ来てもおかしくありません。過去の災害について学び、未来に備えましょう。

※写真は本紙をご覧ください

◆博物館の休館日
本館・館山城:3月4日、11日、18日、25日
渚の博物館:3月は休館日なし

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