文字サイズ
自治体の皆さまへ

障害を理由とする差別の解消 障壁も差別もない社会

3/22

和歌山県 クリエイティブ・コモンズ

障害のある人にとって、日常生活や社会生活の中において、障害を理由として不利な扱いを受けたり、活動が制限されてしまうなどの社会的な障壁や差別が存在しており、それらを取り除くことが求められています。
県では、令和5年12月(一部は令和6年4月)に「和歌山県障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例(以下、障害者差別解消条例)」を施行し、障害の有無に関係なく、お互いに人格と個性を尊重し合い、ともに生きる社会の実現をめざしています。

■和歌山県障害者差別解消条例の概要
▽障害を理由とする差別の禁止
・障害を理由として差別や権利利益の侵害を行ってはならない。
・県や事業者は不当な差別的取扱いをしてはならない。
・不当な差別的取扱いに該当しない正当な理由があるときは、理由を説明し、理解を得るよう努めなければならない。
・県や事業者は障害者からの申出により、「合理的配慮」を行わなければならない。
・負担が過重であり合理的配慮が行えないときは、理由を説明し、理解を得るよう努めなければならない。

▽障害を理由とする差別を解消するための体制
本紙を参照ください

■不当な差別的取扱いの禁止
企業や店舗などの事業者や行政機関等において、障害があるという理由だけでサービスや各種機会の提供を拒否したり、場所や時間を制限したりするなど、障害のない人と異なる取扱いをすることで、障害のある人を不利に扱う「不当な差別的取扱い」を条例で禁止します。

▽不当な差別的取扱いの具体例
(1)保護者や介助者がいなければ一律に入店を断る
(2)障害のある人向けの物件はないと言って対応しない
(3)本人を無視して介護者や付添の人にだけ話しかける

■合理的配慮の提供
障害者差別解消条例に加え、令和6年4月に施行される改正障害者差別解消法により、新たに事業者は、障害のある人からの申出に応じて、実施に伴う負担が過重でないときに、「合理的配慮の提供」が義務化されます。
日常生活や社会生活の中で提供される設備やサービスは、障害のない人には簡単に利用できるものであっても、障害のある人にとっては利用が難しく、結果として活動が制限されてしまう場合があるため、障害のある人の活動を制限している障壁を取り除く必要があります。

▽合理的配慮の具体例
(1)物理的環境への配慮 例…肢体不自由
・障害のある人からの申出
飲食店で、車椅子のまま着席したい。

・合理的配慮の提供
机に備え付けの椅子を片付けて、車椅子のまま着席できるスペースを移動しやすい位置に確保した。

(2)意思疎通への配慮 例…難聴
・障害のある人からの申出
難聴のため、筆談を希望したい。

・合理的配慮の提供
簡潔に読みやすい字を書いて筆談を行った。

▽宮地良和さんと盲導犬スイング
視覚に障害があり、盲導犬と一緒に生活しています。昔は、盲導犬を連れていると入店を断られたこともありました。今では、盲導犬に対する理解も深まり、どんなお店でも受け入れられるようになりました。スーパーや飲食店では、店員の方から声を掛けてくれ、商品を取ってくれたり、席までの移動をサポートしてくれたりするなど、親切に対応いただくことが多くなったと実感しています。
今回、事業者からの合理的配慮の提供が義務化されることで、障害のある人がお店を利用しやすい環境ができることを期待しています。

▽合理的配慮の申出があった場合の過重な負担の判断
「過重な負担」の有無については、個別の事案ごとに、具体的な場面や状況に応じて総合的かつ客観的に判断する必要があります。
・事務や事業への影響の程度(事務や事業の目的・内容・機能を損なうか)
・実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)
・費用や負担の程度
・事務や事業の規模
・財政や財務の状況

▽合理的配慮の提供における留意点
合理的配慮の提供にあたっては、障害のある人と事業者等との間で、「建設的対話」を通じて共に対応案を考えていくことが重要です。

「前例がありません」
…個別の状況に応じて柔軟に対応する必要があり、前例がないことは断る理由になりません。

「特別扱いできません」
…障害のある人もない人も「同じようにできる状況」を整えることが目的であり、特別扱いを求められているものではありません。

「もし何かあったら…」
…漠然としたリスクだけでは断る理由になりません。どのようなリスクが生じるかや、リスクを減らすための具体的な対応を検討する必要があります。

「〇〇障害のある人は…」
…同じ障害でも、程度などにより求められる配慮が異なります。ひと括りにせず個別に対応を検討する必要があります。

▽障害者差別解消に関する事例データベース
「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮の提供」の具体例を、障害の種別等に応じて検索できます。
合理的配慮等具体例データ集のページへリンク
本紙を参照ください

問い合わせ:障害福祉課
【電話】073-441-2532【FAX】073-432-5567

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU