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[特集]防災まめ知識 特集号 ~避難する際のポイント~

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和歌山県印南町

■津波避難の三原則を知っていますか?
9月1日は「防災の日」です。関東大震災をきっかけに、災害についての認識を深め、対処の心構えを準備するために作られた日です。
関東大震災では、火災での被害がとても大きく取り上げられていますが、津波被害もあったことをご存知でしょうか。この津波では神奈川県や千葉県の沿岸を中心に、10mを超える津波が押し寄せ、数百人が犠牲となっています。
和歌山県でも、南海トラフ巨大地震が起こった場合、沿岸部を中心に大きな被害を受けると予想されています。津波から命を守るために、避難する際の三原則について紹介します。

▽津波避難の三原則について
東日本大震災で、釜石市の鵜住居(うのすまい)地区は、中学生が中心となって住民を巻き込んで避難し、多くの人を助けた「釜石の奇跡」で有名です。この出来事のきっかけとなった東京大学の片田教授が避難の三原則について提唱されています。

▽避難の三原則
・想定にとらわれるな
・最善を尽くせ
・率先避難者たれ

▽想定にとらわれるな
印南町では被害を想定し、南海トラフ巨大地震で起こる津波を想定したハザードマップを作成したり、避難場所や避難所を指定したりしています。しかし、想定以上の津波や被害が起こる可能性もあります。東日本大震災でも、ハザードマップを信じ切ってしまったことによって犠牲となってしまった事例もあり、想定を完全に信用してしまうことはかえって命の危険を作ってしまうこともあります。想定はあくまで目安だと考えたうえで、できる限り高台などの安全な場所への避難を心がけましょう。
※印南町ハザードマップ一覧はこちら(二次元コードは本紙掲載)

▽最善を尽くせ
避難した後でも実際の状況を見て判断することが大切です。また、避難が間に合わず被害を受けてしまったとしても、あきらめずにその時にできる最善の行動をとることが命を守ることにつながります。
実際に鵜住居地区では、最初に避難した指定避難場所に津波が迫り、生徒の判断でさらに高台へ避難しています。
指定されている避難場所でも、災害の規模によっては危険となる場合があります。避難先が本当に安全か確認しましょう。

▽率先避難者たれ
災害時、避難が必要な状況でも、「これぐらい大丈夫だ」と思い込んでしまうことがあります。この状態に陥ると、サイレンが鳴っていても「大したことはない」、「どうせ誤報だ」などと油断してしまい、犠牲になってしまうことがあります。
また、周りの行動を見て自分も同じように動いてしまうことがあります。これは、周りが避難していないと自分も避難しないなどの悪いパターンもありますが、釜石の奇跡のように率先して避難することでその姿を見た周りの人も同じように避難できれば、多くの命を助けることができる場合があります。
まずは率先避難者になり、周りを巻き込んで、みんなで避難することを意識しましょう。

▽避難時における注意点
・避難する時は、できるだけ荷物は軽くしておきましょう。
・両手が空くようにリュックなどの背負うタイプのかばんを使うと避難しやすくなります。
・薬を飲まれている方は、普段服用している薬やお薬手帳は必ず持っておくようにしましょう。
・子供連れの方やペットを飼われている方は、子供用の食料やペットの食料などを備えておきましょう。
・避難途中で道路がふさがっている場合があります。複数の避難ルートを確認し、迂回できるようにしておきましょう。
・大きな地震の直後は、何度も余震が起こることがあります。避難時に塀や家が倒れてくる可能性を想定し、頭を守る物を持っておきましょう。

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