健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間(健康寿命)を延ばし、年を重ねることで心身の機能が低下する「フレイル」に陥らないために、今から健康について考えてみませんか?
◆フレイルって何?
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指します。
◇健康な状態と要介護状態の中間の段階
心身機能
加齢
健康
フレイル
要介護
※詳しくは広報紙をご覧ください。
いつまでも元気に活動し、家族や友人、地域の人たちとつながり、社会参加しながら毎日を送る。そんな高齢期を過ごすためにも「フレイル(虚弱)」の予防・対策が重要です。
◆フレイル対策の3本柱
早めに予防に取り組むことで、進行を遅らせ健康に過ごせていた状態に戻していくことができます。
1つ目の柱は「栄養・口腔」です。3食バランスよく食べることはもちろんですが、特に肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質を意識してとることが重要です。また、歯磨きを丁寧に行い、口の中を清潔に保つ、口腔体操で口の周りの筋肉や舌の動きを高め、飲み込む力を維持しましょう。
2つ目の柱は「運動」です。しっかり歩く、なるべく階段を使うなどし、座っている時間を減らしましょう。筋力低下を防ぐためにも日頃から体を動かすことが大切です。
3つ目の柱は「社会参加」です。趣味や仕事、ボランティア活動などで人や社会との交流ができ、日常生活に張りや楽しみが増えます。また、外出することで体を動かすため、食欲増進や質の良い睡眠につながり、生活習慣も整います。年齢を気にせず、興味のあることにはどんどんチャレンジしていきましょう。
■和歌山リハビリテーション
専門職大学 基礎理学療
法専門理学療法士
松井有史氏
フレイルを起こす要因は様々ですが、まず最初にリスクとなる兆候が現れるのが、社会や人とのつながりを失ったときと言われています。令和元年に7万3千人以上の高齢者を対象とした横断研究から、文化活動・地域活動(身体活動含む)を行っていない人はオッズ比約16倍もフレイルのリスクが高くなると言われています。また反対に、身体活動が困難な方でも文化活動や地域活動の参加でフレイル予防が期待される結果が出ています(※1)。家に閉じこもりがちな生活の活動性を上げるためにも、フレイル予防の効果が期待できる和歌山市の地域活動に参加することをお勧めします。
※1:吉澤裕世 他:日本公衆衛生雑誌2019;66(6):306-316
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