人は、どんな自分でありたいか、どんな人を好きになるかなど、それぞれ違います。これは、私たちが男性・女性という「からだの性」だけで二分されるのではなく、自分の性をどう認識するかという「性自認」やどんなふうに恋愛感情を抱くかという「好きになる性」が人によって違うからです。
◇からだの性
生まれた時に性染色体・性器などによって判断された性
◇性的指向(好きになる性)
恋愛対象が主にどの性別かということ
◇性自認
自身が自分の性別のことをどのように考えているか
◇表現する性
言葉遣いや髪型、服装など自分をどのように表現するか
上記のような要素の組み合わせで、様々な性のあり方が存在します。最近よく聞く「LGBTQ+」は、次の言葉の頭文字をとった言葉で、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)の総称です。
◇L・レズビアン Lesbian
性的指向が同性の女性
◇G・ゲイ Gay
性的指向が同性の男性
◇B・バイセクシュアル Bisexual
性的指向が男性、女性の両方の性の人
◇T・トランスジェンダー Transgender
からだの性とこころの性が一致しない人
◇Q・クエスチョニング Questioning
自分の性自認や性的指向がよくわからない、決めていない、決めたくないなど分類できない人
◇+・プラスアルファ
代表的な5つの他にもたくさんのセクシュアリティ(性のあり方)があります。
「自分の周りにはそういう人はいないよ?」
本当にそうでしょうか?日本の性的少数者の割合は約3~10%と言われています。つまり10人から30人に1人の割合になります。
LGBTQ+当事者は、周囲の理解不足や偏見、間違った認識のために自分らしさを表現できず、社会生活でも困難が生じることがあります。
「SOGI(ソジ)ハラ」って知ってますか?
性的指向・性自認に関して差別的な言動や嫌がらせをすることなどを「SOGIハラ」といいます。
※SOGIとは、好きになる性(Sexual Orientation)と自分の性別の認識(GenderIdentity)の頭文字をとった言葉です。
多様性を認め合い、誰もが自分らしく生活できるよう、まずは性の多様性を知ることから始めてみませんか?
性のあり方はグラデーション!
一人ひとり顔や性格が違うように、性のあり方は人によりさまざまで、男性・女性とはっきり分けられるとは限らないのです。
■思い込み・無意識に気づくことから始めよう
今年7月、LGBTQに対する理解増進のため、「LGBTQと愉快な仲間たち」代表の安西 美樹(あんざい みき)氏を講師にお招きした人権啓発指導者養成研修会に人権尊重委員・人権擁護委員・市議会議員・市職員の皆さんとともに参加しました。
研修では「他人にばれるから避難所に行けない」、「避難所に行っても居場所に困る」など避難所におけるLGBTQ当事者の困り事の話もありました。8月には南海トラフ地震臨時情報が発表され、私たちもいつ被災してもおかしくありません。災害時における人権の課題であると感じました。
私たちは、昔からの習わしや家庭や学校での経験などによって無意識のうちに男女の役割についての固定観念や性的偏見を持っている可能性があります。そのことを「ジェンダーバイアス」といいます。社会のジェンダーバイアスを解消するには、一人ひとりの思い込みや無意識に気づくことが大切です。周りに理解のある人が増えるだけで、当事者の方の困難が少しでも軽減されるのではないでしょうか。
■R6.2月~開始 和歌山県パートナーシップ宣誓制度
和歌山県パートナーシップ宣誓制度とは…
一方又は双方が性的少数者である二人が、互いを人生のパートナーとし、日常の生活において相互に協力し合うことを約束するパートナーシップ宣誓を行い、和歌山県が宣誓したことを証明する「パートナーシップ宣誓書受領証」を交付する制度です。
法律行為である婚姻とは異なり、法律上の効果を生じさせるものではありませんが、この制度の導入により、多様な性や性的少数者の方々に対する理解を広めていくとともに、生活上の困りごとの軽減など、暮らしやすい環境づくりにつなげていきます。
■11月は人権を考える月間です
~育てよう 一人ひとりの人権意識~
・同和運動推進月間 11月1日~30日
・人権を考える強調月間 11月11日~12月10日
・女性に対する暴力をなくす運動 11月12日~25日
期間中、女性に対する暴力根絶のシンボルであるパープルリボンにちなみ、全国でパープルライトアップを実施。市民会館も紫色にライトアップされます★
・女性の人権ホットライン強化週間 11月13日~19日
【電話】0570-070-810
問合せ:市民課 人権啓発係
【電話】22-3558
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