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自治体の皆さまへ

誰もが安心して暮らせるように~知っておきたい成年後見制度~(1)

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和歌山県紀の川市

豆知識:実は、「後見」という言葉は歌舞伎から来ています!役者の後ろで衣装を直したり着替えを手伝ったりする人たちのことで、それが転じてサポートする役割の人のことを「後見」と呼ぶようになりました。

■他人ごとでは済まされない
みなさんは「成年後見」という言葉を知っていますか。聞いたことがあっても、くわしい内容を知らない人も多いのではないでしょうか。
認知症や知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な人は、不動産・預貯金などの財産管理や、介護・福祉サービスを利用するための手続きや契約行為をすることが難しい場合があります。また、自分に不利な契約であっても、自分一人で判断できずに契約を結んでしまい、訪問販売や振り込め詐欺などの悪徳商法の被害に遭う恐れもあります。
「成年後見制度」(以下、制度)は、このように判断能力が不十分な人に対して、成年後見人・保佐人・補助人などの支援者が、財産の管理や契約行為、書類の確認などの手伝いや、定期的に自宅や施設などを訪問して生活状況を確認することで、住み慣れた地域で自分らしく安心して生活ができるように支援を行う制度です。
今回の特集では、制度を利用した人や制度の利用を支援する人、支援者の人たちから話を聞き、複数の視点から制度について考えていきます。
本市でも、高齢化により地域課題が複雑化しています。すでに「他人ごと」ではありません。制度の利用が必要になってから調べるのではなく、興味・関心が無かった人も、この機会に「自分ごと」として一度考えてみませんか。そして、必要な人へ支援が届くよう、まずは地域全体で制度の理解を進めましょう。

■一人で抱え込まないで
「自分一人での支援に限界を感じていました」と話してくれたのは、市内で飲食店を営む畑和成(かずなり)さん。約5年前から親族の支援を行ってきましたが、今後の金銭管理などの支援に不安を抱いていた時に、周りの助言を受け、相談窓口へ相談。昨年9月から制度の利用を開始しました。制度を利用することで、さまざまな手続きを円滑に進めることができるようになり、現在は、本人の希望する生き方を実現できているといいます。畑さんは「自分一人で悩むのではなく、周りに相談することも大事で、本人のことを思って、課題を解決するために制度を利用することも一つの方法です」と、支援で困っている人や制度の利用を検討する人にアドバイスを送ってくれました。
市では、日常生活の中で課題を抱えている人や生きづらさを感じている人などの支援を行うため相談窓口を設置しています。一人で抱え込まずに、一度相談してください。

▽成年後見制度とは

■知っておきたい!成年後見制度のあんなこと・こんなこと!
「成年後見制度」をQ and Aで紹介します。
Q1:「成年後見制度」を利用するにはどうしたらいいの?
A1:制度の利用には、医師の診断書などの必要書類をそろえて、家庭裁判所への申し立てが必要です。

Q2:申し立ては誰ができるの?
A2:本人や配偶者、4親等内の親族が行うことができます。申し立てをする親族がいない場合は、市区町村長が申し立てることもあります。

Q3:どんな時に「成年後見制度」を検討するの?
A3:次のような場合に申し立てを検討されるケースが多いです。
・預貯金などの管理に困った時
・施設入所や福祉サービスの契約が必要な時
・近くに頼りになる親族がいない時

Q4:どんな人が成年後見人などに選ばれるの?
A4:事情を考慮して、本人に最も適切な人を家庭裁判所が選定します。本人の親族以外にも、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門家が選ばれる場合もあります。

Q5:選ばれた成年後見人などは何をしてくれるの?
A5:本人の生活、医療、介護、福祉など、身の周りに目を配りながら本人を法律的に保護・支援します。また、本人にかわって、お金などの資産の管理(財産管理)や施設入所の契約、医療・福祉サービスの手続き(身上保護)を支援します。

※買い物や食事の世話などの日常生活を直接支援できないため、必要なサービスを契約し、サポートします。また、身元保証人になることは出来ません。

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※公証役場…法務局が所管する機関で、遺言や公正証書の作成など行う公的機関

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