■集会所等に残る歴史をつなぐため
「長谷(ながたに)の歴史」編纂委員の皆さん
長谷(ながたに)集会所で見つけた古い史料を解読し、「長谷の歴史」という一冊の冊子(80ページ)にまとめられた編纂委員の皆さんに話を伺いました。
◆「えらいものを見つけてしまった」
約3年前に集会所の物置を整理していたとき、棚の中から茶色くなった書類の山を見つけました。集会所の12畳ほどの和室いっぱいになるほどの書類には、先人が書いた達筆な文字がずらりと。
その中に「明治」という文字を見つけ驚き、現代の人もこれから先の人も分かる形で、この歴史を一つの冊子にできないかと、この5人が集まりました。
そこで、冊子にまとめるといっても、どのように整理すれば良いのか模索した結果、(1)地区の決議事項、(2)税の負担を割り出すための土地所有状況及び公図、(3)役場や県などからの通達、(4)その他の4つに分けてまとめることになりました。
◆文字や言葉の解読に悪戦苦闘の日々
冊子の大まかな構想ができ、「いざ解読!」と試みるものの、なんと書いているのか分からないものが多く、言葉ひとつをとっても、解読に大変苦労しました。
例えば、「毛付休(けつけやすみ)」という言葉。田植えを地域みんなで行っていた昔の時代は、田植え終了後3日間ほど休みが与えられていたそうで、その休みを指す言葉ということを今回初めて知りました。
そんな風に一つひとつ読み解くために、冊子制作を始めた令和4年5月から、月に2回集会所に5人が集まり、ときにはそれぞれが宿題を家に持ち帰りました。
さらに、せっかくの機会なので、これらの書類のほかに、長谷地区の皆さんから提供していただいた昔の写真も使わせていただくことになりました。そして、丸2年をかけて完成に至ることができました。
◆出来上がった冊子を地区の皆さんへ
今年の4月に完成したこの冊子は、全部で200部製本し、長谷地区で各戸配布させていただきました。
冊子に目を通していただいた方から声をかけてもらったときは、大変な作業でしたが、やって良かったと思いました。
◆読者に一言
冊子を見てみたい方がいらっしゃいましたら、中央公民館・文化センター・小川地区公民館・志賀野地区公民館の図書室にも置いてもらっていますし、数は多くないですが、集会所にもまだありますので、ぜひご覧いただければ幸いです。
●プロフィール
「長谷の歴史」編纂委員の皆さん
西岡 章(にしおかあきら)さん
横山 吉雄(よこやまよしお)さん
中屋 久司(なかやひさし)さん
川井 清隆(かわいきよたか)さん
中屋 多加志(なかやたかし)さん
冊子の元となった書類を発見した当時の長谷地区区長、副区長を中心に地区内での募集も含めて集まった5人の皆さん。
それぞれの前職は学校教員、公務員、会社員。古い文献などを扱った経験のある人はなく、試行錯誤をしながら5人で冊子制作を行いました。
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