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【report】安全・安心の水をいつまでも「水道事業の現状と問題」

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和歌山県那智勝浦町

私たちの生活に欠かせない水道について、昨年も広報でお知らせしました。今回は、現在の水道の状況と課題点をお伝えします。

■1 水道事業の課題
(1)使用水量の減少
家庭やお店で使っている水道の使用量(使用水量)は、最近の節水意識の高まりや、人口減少などによって減少し続けています。

(2)料金収入の減少
使用水量の減少は、水道料金の収入減少に直結します。近年では、老朽化した施設の更新や電気料金などの事業費用の増加もあり、平成27年度以降は赤字が続いています。

(3)施設の老朽化
水道管をはじめ、施設の老朽化が年々進んでいます。毎年、老朽化した水道管の更新を行っていますが、費用面などから老朽化の速度に追いついていない状況です。
本町では、設置後40年を超える管(老朽管)が約60kmあります。町全体の管の長さは約170kmですので、約35%が老朽管で、管の破損による断水や漏水が危惧されます。また、施設が老朽化すると、故障による断水も起こりやすくなります。断水や漏水が起こると、皆様にご迷惑をおかけしますし、水道の経営にも悪影響を及ぼします。

給水人口・使用水量等の推移

■2 水道の現状
本町の水道は多くの課題を抱えています。それでも、経営の効率化や計画的に事業を進めたりすることで、安全な水をこれまで届けてきました。
本来、水道事業は水道料金の収入で経営していくため、経営上の問題が起こったときは料金の見直しなどに着手しなければなりません。本町の水道料金は、消費税の導入・税率変更を除くと、昭和60年より改定(値上げ)を行っていません。
しかし、最近は、使用水量が大きく減少しているだけでなく、工事資材など施設更新の費用や、電気代などの事業費用が、これまでにないスピードで上昇しています。そのため、令和5年度末の赤字額の合計(累積欠損金)は3億8,000万円、また、長期借入金(借金)の残高は31億600万円となっています。

水道事業の収支状況(3年ごと)

■3 水道のこれから
本町の水道の状況は、これまでお伝えしたとおりですが、年々、施設更新の費用を賄うことが難しくなっています。この問題を解決するため、一層の経営努力を行うだけでなく、水道料金の見直し(料金改定)が必要な時期となっています。
そのため、昨年度、水道料金審議会において5回の審議を経て、答申をいただきました。その中では、料金改定はやむを得ないとし、料金体系も水道管の口径に基づいた口径別料金体系への移行が望ましいとされています。この答申を受け、現在、水道事業所では料金改定に向けた準備を進めています。今後も安全な水をお届けするため、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

お問い合わせ先:水道事業所
【電話】52-9495

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