《自助》自分の身を自分で守るために
令和6年1月1日16時10分頃、石川県能登地方を震源とする最大震度7を記録する地震が発生しました。元日という、新たな一年を祝う日であっても地震は発生します。そして、地震から命からがら避難された方の多くが慣れない避難生活を送っています。
今回は、今後大きな地震が起こる可能性がある地に住む私たちが今こそ知って備えたい「避難生活」についてお伝えします。
■過去の震災に学ぶ
過去に起きた大きな地震と発生時刻は次のとおりです。
・関東大震災(正午)
・阪神淡路大震災(6時前)
・東日本大震災(15時前)
・熊本地震(21時過ぎ)
・能登半島地震(16時頃)
地震は日本全国あらゆる場所で、あらゆる時間に突然発生しています。現在の科学技術では、「いつ」、「どこで」、「どれぐらいの」地震が発生するか、予知することはできません。
■私たちにできること
今回は次の2点についてお伝えします。
(1)事前に備えられること
(2)避難生活に備える
■(1)事前に備えられること
平時から、備えることが大事です。
◇自宅の地震対策
・耐震診断
・耐震補強工事
・家具等の転倒防止
・感震ブレーカーの設置
など
これらの取り組みに、町から補助が出るものがあります。詳しくは次号(4月号)をご覧ください。
◇非常用持ち出し袋
・非常食
・水
・衛生用品
・常備薬
・携帯トイレ
・雨具
・懐中電灯
・ラジオ
・アルミブランケット
・モバイルバッテリー
など
個人の体力に応じて、背負って持ち運べる量を用意します。
◇避難情報の事前確認
・避難経路
・避難場所(緊急的に逃げる場所)
・避難所(一時的に生活する場所)
いざ災害が起きたとき、あわてず避難するために、あらかじめ確認しておくことが大事です。
◇災害情報を入手する手段を複数用意する
・電話・ホームページ
・テレビ・スマホアプリ
・ラジオ・メール
・紙(ハザードマップ等)
など
いつも使えるものが災害時も使えるとは限りません。また複数手段の使用は、デマ情報の判別にも有効です。
■(2)避難生活に備える
普段とは違う生活に、様々な注意点があります。今から知って備えましょう。
◆避難所に避難する場合
◇避難所生活の基本
・避難した直後は持ち出した物品を使い、その後は救援物資で生活します。
・福祉、医療の災害派遣チームが避難所を巡回して避難者の健康を支えます。
・避難所生活が長引く場合は避難者が主体となり、生活ルールの取り決めなどを始めとする、それぞれの避難所の実情に沿った避難所運営を行っていきます。
◇避難所生活を健康に過ごすために注意したいこと
(1)水分・塩分補給はこまめに
トイレに行きたくないからと、水を飲む量が減りがちです。こまめな水分・塩分補給は熱中症やエコノミークラス症候群※を防ぎます。
(2)手を清潔に
食事の前やトイレの後は手洗いを。水が使えない時は、アルコールを含んだ消毒薬やウェットティッシュを使いましょう。
(3)食中毒に注意!
出された食事はすぐに食べましょう。体調不良のある方は、調理や配食を行わないようにしましょう。
(4)適度な運動を
エコノミークラス症候群※の予防や寝たきりの予防のために、積極的に体を動かしましょう。
(5)うがい・歯磨き
うがい・歯磨きをできるだけ行い、かぜの予防、口の中の衛生を保ちましょう。
(6)十分な休息・睡眠を
誰もが不安を感じています。休息や睡眠を意識してとりましょう。
(7)必要に応じてマスクを付ける
せきがあるときや、アレルギーの原因となるほこりを避けるため、必要に応じてマスクを使いましょう。
(8)薬で困ったときは相談
薬が手元になかったり、薬で困っているときは、医療関係者(派遣チーム)などに相談を。
(9)配慮が必要な方は
「妊娠中の方」、「産後の方」、「小さいお子様連れの方」、「病気などで特別な食事の配慮が必要な方」などの方は、必要な支援が受けられるように避難所の運営主体に申し出ましょう。
・エコノミークラス症候群とは
食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座ったままいると、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。
その結果、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあります。
◆自宅に避難できる場合(在宅避難)
◇在宅避難の基本
・自宅が安全な場合に限ります。
・自宅の備蓄品を中心に生活します。食料品を始め1週間分の循環備蓄(買い足す→貯める→古いものから消費するを循環させる)が有効です。
◆車中泊する場合
◇車中泊の基本
・自動車電源で必要最低限の電化製品を使用することができます。(バッテリー上りに注意)
・車中泊で起こりがちな健康被害に注意が必要です(エコノミークラス症候群、熱中症、一酸化炭素中毒など)。
○在宅避難・車中泊の共通事項
・キャンプ用品がある場合は活用します(非常用電源、カセットコンロ、クーラーボックス、ランタン、寝袋など)。
・物資や健康管理などについて、公的な支援が受けづらくなります。問題が発生したときは、最寄りの避難所等に相談する態勢が大切です。
この度の地震により犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表するとともに被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます
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