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昔から今も残る 高野町内の名所シリーズ(95)

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和歌山県高野町

◆小辺路(こへち)
高野山の小田原谷の南、女人道(にょにんみち)と接するところに「ろくろ峠」という場所があります。江戸時代にはそこに「轆轤峠堂(ろくろとうげどう)」が建っていたといわれています。この「轆轤峠堂」は女性が宿を取った女人堂で、『紀伊続風土記(きいしょくふどき)』には「この堂には本尊なし、けだし参詣の女人投宿の所とす、すなわち、この所を大滝口という、熊野街道なり、路傍に制札あり、七口の一なり」とあり、ろくろ峠(大滝口)から大滝まで一里余(約3.9km)と記されています。
このお堂を起点として、薄峠(すすきとうげ)を経て南の熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)へ向かう古道が熊野参詣道であり、小辺路と呼ばれる道です。
さらに『紀伊国名所図会(きのくにめいしょずえ)』には、街道の地名や行程が記されています。その要所は「高野山」「大滝」「水ヶ峰(みずがみね)」「大又(おおまた)」「かやごや」「上西(うわにし)」「松平(まつひら)」「寒野川(かんのがわ)」「三浦峠(みうらとうげ)」「矢倉(やぐら)」「石楠辺(いしくすべ)」「柳本(やぎもと)」「観音茶屋(かんのんぢゃや)」「はてなし峠(とうげ)」「八町茶屋(はっちょうぢゃや)」「七色茶屋(なないろぢゃや)」「八鬼尾谷(はきおだに)」「本宮(ほんぐう)」であり、距離はおよそ15里(約59km)で、深山幽谷の地を経て到達するということです。
平成16年(2004)7月、熊野参詣道小辺路を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されました。令和6年(2024)は登録20周年にあたります。登録される以前は、林道開発のため破壊されつつあった小辺路でしたが、先人達の調査によって信仰のあとをたどることが出来る貴重な道であることが証明され、保護されることとなりました。国の史跡となった後、世界遺産に登録されました。
小辺路の各所に残された道しるべには、その信仰の証が刻まれています。

問合せ:教育委員会
【電話】0736-56-3050

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