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自治体の皆さまへ

高野山の植物 8

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和歌山県高野町

日本仏教の聖地「金剛峯寺」のお坊さんのおはなし
~高野山に自生する植物~

◆杉、椙、倭木
(ヒノキ科)
花ことば:「雄大・堅固・あなたのために生きる」

前回まで櫨を題材にウルシ科の植物とウルシ塗りの調度品について紹介させていただきました。今回は高野六木(こうやりくぼく)のひとつであり、高野山に限らずとても身近な植物である杉についてお話ししてまいります。

ヒノキ科スギ属に分類される常緑高木になる針葉樹の一種。
大きなものは樹高40~60メートル、幹の直径4~5メートルになる。日本自生の木の中で最も大きくなる種とされており、樹皮は赤褐色で縦に細長く裂けます。葉は鎌状針形で、枝にらせん状につき、触れると痛いです。花期は早春で、球果はその年の秋に熟します。成長が速く、比較的長命で日本各地に樹齢500年を超えるとされる個体が多く存在しており、高野山上にもかなり古い個体があります。本州、四国、九州に自生し、日本の太平洋側と日本海側のスギでは形態的・生態的・遺伝的差異があり、それぞれオモテスギ、ウラスギとよばれるそうです。

「スギ」の名は「すぐ(まっすぐ)」に由来するとされることが多い(諸説ある)。日本では最も広く植林されている樹種で、材は建築・家具・樽・土木などに広く利用されており、その他にも屋根、線香、杉玉など樹皮や枝葉を利用し、また観賞用に植栽されることもあります。古くから神社などに植栽され、ご神木とされているものや天然記念物に指定されているものも多く存在するようです。スギは春頃に大量の花粉を散布するため、日本では花粉症の主な原因となっています。

杉は材として多く用いられており、仏壇や仏具などにも使われますが神棚にも用いられるようです。材として有名な屋久杉や、地中で長い年月を経て化石になる手前で発見される神代杉など様々です。

次回は引き続き杉が仏教や密教にどういった関わりをするのかお話ししてまいります。

つづく

問合せ:高野山真言宗 総本山 金剛峯寺
【電話】0736-56-2012

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