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こんなことをしています! 市の総合治水対策(1)

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埼玉県三郷市

近年、気候変動の影響により、激甚化・頻発化する台風やゲリラ豪雨による災害が全国各地で発生しています。また、都市部では、都市化に伴う土地の保水機能の減少で、水害リスクが高まっています。そのような中、東に江戸川、西に中川、市内にもたくさんの川や用水が流れる三郷市では、地域の特性を考えたきめ細やかな治水対策を行うことで水害からまちを守っています。
10月号では、24時間365日、休みなく取り組んでいる三郷市の治水対策についてご紹介します。

■土地の特性
○勾配の少ない低平地
三郷市は、中川・綾瀬川流域に属しています。この流域は、大河川である江戸川と荒川に囲まれたお椀のような土地となっていて「中川低地」と呼ばれています。
高低差が少なく、勾配を確保することが困難なため、自然な水の流れをつくることが難しい土地です。

○潮の満ち引きの影響を受けます
東京湾から約20kmに位置する三郷市は、潮の満ち引きの影響を受ける「感潮河川区間」です。
潮が満ちているときは、下流(海)から上流に向かって水が逆流し、河川の水位が上昇する現象が起こります。

この現象は、1日2回ずつ約12時間周期で繰り返されます。また、その中でも満潮と干潮の潮位差が大きく開く「大潮」と潮位差が小さい「小潮」があり、約2週間の周期で繰り返されています。

大潮の時期で、かつ満潮の時間帯には、河川や河川とつながる水路の水位が非常に高くなるよ。
このタイミングで大雨が重なった場合は、特に冠水が発生するリスクが高まってくるんだ。

■河川と水路
※本紙P.8に地図があります。

○市内を流れる河川
・大場川…吉川市を起点に市内を北から南に流れ、中川へと合流する河川です。中央部で三郷放水路と交差している部分は、大場川が三郷放水路の下を潜る構造となっています。

・第二大場川・下第二大場川…第二大場川は、三郷放水路の北側手前で大場川と合流する河川で、下第二大場川は、三郷放水路の南側を流れる河川です。これらの河川は、以前は大場川と同じように市内を縦断して流れていましたが、三郷放水路の建設によって南北に分断され、2つの河川になりました。

・彦成川…半田公園の南側を東西に流れる河川で、主に半田地区や采女地区、新三郷ららシティの雨水などを受け入れ、大場川に合流します。

○総延長約300kmの水路
市内には、地域に降った雨を河川へと排水するための排水路や、二郷半領用水路などの農業に利用する用水路が巡っており、市が管理する部分のみでも約300kmにも及びます。

○東西を流れる大河川
・江戸川…茨城・千葉・埼玉県、東京都の境を南下して東京湾に注ぐ総延長約60kmの河川で、首都圏の生活用水の水源や大雨の際に大量の雨水を海へと運ぶ重要な役割を担っています。

・中川…埼玉県羽生市を起点に、途中で多くの支川の水を集めながら南下し、東京湾へと注ぐ総延長約80kmの河川で、市内を流れる大場川も中川の支川の一つです。流れる地域全てが低平地であり、過去にはしばしば浸水被害が発生していることから、現在では、流域全体が一丸となって治水対策を行っています。

■河川に囲まれた三郷市では、三つの対策を軸に水害からまちを守っています。
○そなえる
治水施設や貯留施設の整備などのハード面だけでなく、水害ハザードマップの整備や中央監視システムによる常時監視などのソフト面でも対策を行っています。

○ためる
水路や河川で雨水を処理できる能力には限界があります。そこで、降った雨を一時的に溜める対策により、水路や河川の負担を軽減します。

○ながす
市内に降った雨水を速やかに排水するため、水路や河川の改修、治水施設の整備を進めています。

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