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みんなでつなぐ「いのちのリレー」救命処置を学ぼう(1)

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埼玉県三郷市

事故や急病で倒れた人を救うには、周囲の人々が協力し、救急車が到着するまでの間にいち早く一次救命処置を実践することが重要です。いざというときにためらわずに行動できるように、一次救命処置の方法を学びましょう。

皆さんの身近なところでも、周囲の人々が連携し、傷病者の命を救った好例がありました。多くの人の尽力によってつなげられた「いのちのリレー」をご紹介します。

■大型商業施設で突然倒れ、救命されたケース
市内の大型商業施設で突然倒れてしまったAさん。偶然居合わせた数人の買い物客が119番通報、胸骨圧迫※、AEDの準備と、手分けをして迅速に対応しました。Aさんが女性であったことから、救命したかたの機転により目隠しのシートが張られ、プライバシーに配慮しながらAEDによる電気ショックが行われました。電気ショック後、胸骨圧迫を再開したところへ救急隊が到着。医療機関へ搬送されたAさんは一命をとりとめました。
※心臓マッサージのこと。

○救命されたかたにお話を伺いました
1.当時の状況について
痛みや息苦しさなどの予兆はなく、階段途中で息が上がってきたと思ったら、足元にふわふわとした感覚があり、突然ふっと意識を失ってしまいました。

2.AEDや救命処置に対する思い
私が倒れた場所がたまたまAEDのある施設で、周りに多くの人がいる環境だったから助かったのだと思います。私自身も過去に救命講習を受講したことがありますが、AEDを実際に使用するのは勇気がいることだったと思います。勇気を持って助けてくださったかたがたに、感謝しています。

■病院に向かう途中に意識を失った人を救命したケース
ある日、隣人のBさんを訪ねたところ、体調が悪く苦しんでいるのを発見。救急車を呼ぼうとしましたが遠慮されてしまったため、何とか説得して自家用車で病院に向かいました。
しかし、間もなく助手席で意識を失ってしまったBさん。すぐに車を停め、近くにいたかたに119番通報などの協力を依頼しつつ、電話で消防署の指導を受けながら胸骨圧迫を実施。その後、到着した救急隊に無事に引き継ぎ、医療機関へ搬送されたBさんは一命をとりとめました。

○救命したかたにお話を伺いました
1.当時の心境について
消防署の普通救命講習を受講した経験があったため、落ち着いて対処できました。

2.実際に救命処置を実施して思ったこと
機会があるごとに講習を受け、常に最新の知識を身に付けることが重要。救命の手順を頭に入れておくことで、いざというときに自信を持って行動できます。

3.救命講習をまだ受けたことがないかたへ伝えたいこと
一次救命処置の方法を学ぶことは、家族など大切な人の命を守ることにもつながります。周りの人にも声を掛けて、積極的に講習を受講してほしいです。

■いのちをつなぐ10分間
ご紹介した二つのケースで共通しているのは、傷病者が意識を失った際に、周囲に居合わせた人々によって、胸骨圧迫などの一次救命処置が直ちに実施されていることです。
心臓と呼吸が止まってしまうと、時間の経過とともに救命の可能性は著しく減少します。呼吸が停止してから一次救命処置を実施しないまま10分が経過してしまった場合の救命率は10%以下であるとされています。119番通報をしてから救急車が現場に到着するまでにかかる時間は、救急車の現在地や現場までの距離にもよりますが、全国平均で約10分程度です。

救命できるかどうかは、救急車が到着するまでの10分間の対応にかかっています

■救命の連鎖をつなげよう
事故や病気により急変した傷病者の命を救い、元の生活を送れるようにするために必要な一連の行動を「救命の連鎖」と言います。連鎖を構成する四つの輪が途切れることなく速やかにつながることで、救命の可能性が高まります。
迅速な119番通報、AEDや胸骨圧迫による一次救命処置は、2、3番目の輪にあたります。

(1)心停止の予防
(2)心停止の早期認識と119番通報
(3)一次救命処置
(4)医療機関による二次救命処置

救急車が到着するまでの間、この輪をつなげることができるのは傷病者の周りにいる人だけです

■救急車の適正利用をお願いします
救急車の出動件数は年々増加傾向にあり、中には「軽症で自力移動はできるが、どこの病院に行けばよいか分からない」などの理由による不適正な利用があります。
緊急性のない症状での救急要請は、緊急性が高く生命の危険がある傷病者の搬送が遅れる原因となります。一人でも多くのかたの命を救うため、救急車の適正利用にご協力ください。

【電話】#7119 埼玉県救急電話相談
【HP】7535
急なけがや病気の際に、家庭での対処方法や医療機関を受診すべきかどうかを看護師に相談できる電話相談窓口です。救急車を呼ぶべきか判断に迷った場合にもご利用いただけます。

利用方法:下記の電話番号に電話し、音声ガイダンスに応じて相談したい窓口を選択してください。
【電話】#7119
都県境の地域でダイヤル回線、IP電話、光電話、携帯電話をご利用の場合は【電話】048-824-4199
※緊急時は、すぐに119番で救急車を呼びましょう。

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