■常に一歩先の味を求め、努力・研究を
リピーターで人気のブルーベリー農園テイカ園
◇町田 進(まちだ すすむ)さん(平方在住)
上尾市にはキウイフルーツ、小松菜、トマトなど特産と称される果物や野菜がたくさんあります。そんな中、他市や都内からも多くのリピーターが購入に訪れる人気の農園をご存じでしょうか。
平方にある「テイカ園」という農園。テイカとは屋号のことで、目の前にある少し坂になった道路が亭家坂といわれています。
テイカ園を切り盛りする町田さん。町田さんの育てる人気の作物はブルーベリーです。ブルーベリーの旬は6〜8月。町田さんのブルーベリーは農薬を使わずに育てているだけでなく、畑に56種317株、ポットで7品種118株もの品種があるそうです。「品種ごとに育て方が違います。ブルーベリーと一口に言っても、適応する気候や肥料、世話の仕方は違うため、何度も失敗し幾度となく試行錯誤してきました」と苦労を語ります。しかしそう語る顔は笑顔であふれていました。
ブルーベリー農園を始めたのは、先代から土地を引き継いだことがきっかけで、勤めていた企業を早期退職し農園を開くことにしました。ブルーベリーを選んだ理由は「関東の気候や土壌に合っていること、摘果など手間が掛からないこと、健康志向の高まる中でのブルーベリーの健康効果などからです。でも農園を始めると言ったときは家族から猛反対されました」と笑って話します。
多様な品種を育てる町田さんのブルーベリーには品種によっては100円玉サイズの物や、500円玉サイズの物もあるそうです。「大きいものはそのまま食べてもおいしいけど、たくさん採ってジャムにしたり、お酒に炭酸水を混ぜた物に漬けたりしてもおいしいです」。他にもピンクレモネードというピンク色の実を付けるブルーベリーも一押しです。町田さんのブルーベリーを求め、都内や他市からもリピーターとして毎年訪れる人が多いそうです。
なぜこんなに多様な品種を育てるのかを訪ねると「日本人の舌はグルメです。飽きないように好みに合わせることも必要ですし、毎年多くの品種が出てきます。それらがどんな酸味・甘味・食感・形・色・大きさをしているのか、生産者なのだから消費者の一歩先を進んでいなきゃいけないですね」と、研究熱心さが垣間見えました。
日進月歩する技術と品種に、努力・研究を続けたいと話す町田さん。いずれ市の特産となりキウイフルーツやジェラートとのコラボレーションにも期待してしまうのは私だけでしょうか。
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