■脂質異常症
脂質異常症は、以前は高脂血症と呼ばれていました。しかし、動脈硬化を改善させる善玉のHDLコレステロールは数値が低いほど悪く、脂質異常症と呼ばれるようになりました。脂質異常症は血液中の脂肪分が増えすぎて、血液がドロドロになっている状態です。少しずつ血の巡りが悪くなり、やがて動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞などの恐ろしい病気を引き起こします。
脂質異常症は、食べ過ぎや飲み過ぎなどの良くない食習慣や運動不足、それらによる肥満や精神的ストレスなどによって起こります。また、遺伝的なことが関係している場合もあります。若いうちは男性に多く、女性では更年期を境に発症することが多いです。
脂質異常症は、全く自覚症状がありません。そのため脂質異常症を治療せずにいる人が多く、心臓病や脳疾患の症状が起きて、初めて事態の重大性に気付く事も少なくありません。まず自身の血液の脂質の状態がどのような状況にあるかを、毎年の特定健診の血液検査などにより、しっかり把握しておく必要があります。また、同じ脂質異常症でも、次の(1)〜(6)のような人は影響が強く現れるので、より積極的な治療が必要です。 (1)以前に心筋梗塞、脳梗塞などが起きたことがある (2)糖尿病 (3)高血圧 (4)肥満 (5)たばこを吸う (6)血縁者に動脈硬化性疾患の人がいる。
正しい食習慣と運動を心がけ、脂質異常症を起こさないようにしましょう。脂質異常症にすでになっている人は、血清脂質をコントロールして、心臓や脳の病気で命を落としたり、自立生活を失ったりしないために主治医と相談し、生活習慣の改善を心がけましょう。
〜上尾市医師会〜山中内科クリニック 山中 秀峰
問合せ:健康増進課
東保健センター 〒362‒0015緑丘2‒1‒27(母子保健・予防接種)【電話】774‒1414【FAX】774‒8188
西保健センター 〒362‒0074春日2‒10‒33(成人・精神保健)【電話】774‒1411【FAX】776‒7355
<この記事についてアンケートにご協力ください。>