(一社)アニマルエイド(小敷谷)
飼い主のいない猫に新しい居場所を
「猫ファースト」の精神で市内最大規模の保護猫シェルター
上尾市に保護猫シェルターがあるのをご存知でしょうか。保護猫シェルターは、病気をもっていたり、生まれたばかりの野良猫、飼い主の高齢化で飼えなくなった猫など、ケアを必要とする猫を新しい飼い主(里親)が見つかるまでの間、一時的に保護する施設です。
(一社)アニマルエイドは、市内で2棟の保護猫シェルターを運営しており、もとは理事の柴田さんが自宅で個人的に始めた野良猫の保護ボランティアでした。次第に賛同する仲間が増え、規模が拡大し、現在は県外での保護活動も行っています。シェルターでは、猫の年齢や性格、病気などによって部屋を分け、常時100匹前後の猫が生活しています。そんな猫たちの保護活動を行う、職員の田才(たさい)さんに話を伺いました。
「アニマルエイドの活動は数名の職員だけでは成り立たず、たくさんのボランティアさんの協力や支援があってこその活動です」と話す田才さん。アニマルエイドには、登録されているだけでも50人ほどのボランティアがおり、自宅での一時預かりや野良猫のレスキュー、清掃からウェブ関連の整備まで、幅広い業務に携わっています。また、餌やトイレ用の砂などの物資の支援や寄付にも支えられているそうです。
「過去には里親が見つかる前に持病で亡くなった猫がいました。助けてあげられず申し訳なかったです」と後悔した思いを吐露してくれました。
(一社)アニマルエイドでは予約なしで気軽に猫と触れ合える体験会(有料)や譲渡会を毎日実施しています。ただし里親の条件として、猫の寿命を考慮した年齢制限や飼育環境の基準があり、時には里親になることを断ることもあるそうです。いずれも猫が終生安心して暮らせるためであり、猫の幸せを第一に思ってのことです。
「ここには飼い主に捨てられた猫も多くいます。飼い主が飼い猫の最期を看取ることは、飼い主にとっては悲しいけれど、猫たちにとってはこの上なく幸せなことだと思います」と涙を浮かべながら話してくれました。
猫の寿命は15年ほどと言われていますが、餌の改良や医療の進歩で20歳を超えることもあります。ペットには癒やしの効果があると言われています。猫をペットに迎える際は、寿命を見据えて検討し、人も猫も安全で快適に暮らせる社会を目指せたらいいですね。
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