埼玉県町村会で毎年実施している視察研修会に参加してまいりました。埼玉県町村会は、県内23町村で構成された組織で、視察をはじめ、勉強会や情報交換、そして近年はDX推進事業など、幅広い事業を展開しています。今年は、岡山県奈義町と、香川県小豆島町に視察に行き、振興策への見聞を広げてまいりました。
奈義町は、岡山県の東北部に位置し、面積69.54平方キロメートル、人口5,568人の町で、特に、少子化対策に力を入れています。「子育て応援宣言」のまちとして有名で、令和元年には、合計特殊出生率2.95を達成しています。「なぎチャイルドホーム」という、いつでも子どもを預けることができる施設があり、給食費無償、高校生まで医療費無償、出産祝金10万円の給付、在宅で育児をしている保護者への支援や、就学支援、大学生への奨学支援など、数々の少子化対策を実施しています。
また、町営の賃貸住宅、分譲住宅にも力を入れ、子育て世帯を応援しています。人口が少ない町とはいえ、一般会計50億円のうち、子育て支援事業は3億円を占めている意義は大変大きいと感じました。
小豆島町は、95.59平方キロメートル、人口13,105人で、オリーブの町として有名です。江戸時代は大阪城築城のため、採石業が盛んだったそうです。その後、醤油・素麺などの食品事業が発展し、今から115年前にオリーブが植えられて以来、日本のオリーブ栽培発祥の地として、栽培面積・収穫量ともに全国一となっています。化粧品・お菓子・飲料など、オリーブを使用した加工品も多くあり、すべて手摘みで収穫しているオリーブの品質は、国内のみならず、海外でも高く評価されています。現在は、観光業にも力を入れており、年間の旅行者は115万人、そのうちインバンウンドが半数以上を占めているそうです。「ぜひ、もう一度お越しください」との言葉に、熱い想いを感じる旅でありました。
伊奈町にとっても、参考にすべき点が多く、町村長たちとの交流を通じて、異なる視点やアイデアを得ることができたことも、非常に貴重な経験となった視察でした。
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