生産者と連携したデジタル技術で進化するお茶栽培の最前線
埼玉県茶業研究所 茶業技術研究担当 技師 工藤 健さん
○プロフィール
2017年4月に埼玉県入庁。茶業研究所配属。主にお茶の栽培に関する試験研究を担当。研究所と生産者の双方向で技術開発を行えないかと考え、デジタル技術に着目。
プログラミング等の知識と技術を独学で習得。
入庁8年目で異動経験がないのは県職員として珍しい。
上谷ヶ貫にある埼玉県茶業研究所では、主にお茶の品種改良や土壌・肥料の研究、病害虫対策に加え、デジタル技術を活用した栽培管理にも力を入れています。近年の温暖化や後継者不足により、今までの、経験での栽培管理が難しくなりつつあります。効率的かつ効果的にお茶の栽培管理をしていくために、デジタル技術の開発に取り組んでいます。
私たちの研究の特徴は、生産者との密な連携を大切にしていることです。従来の研究開発は、「このとおりにやってください」という形で終わっていましたが、今では生産者のフィードバックを取り入れ、使いやすさや活用のしやすさにも配慮した技術開発を行っています。その一環として、身近なLINEアプリを利用した生育予測や害虫防除の予測モデルを開発しました。手軽に使えるこのツールの利用者は現在130名にまで増え、非常に便利なものとして評価されています。狭山茶の歴史と伝統を守りつつ、時代の流れに合わせた新しいデジタル技術にも取り組んで、徐々に作業負担の軽減にもつながっていければと思っています。
私たちは、日々「どうしたらもっと美味しいお茶を作れるか」を考えながら研究を続けています。狭山茶の未来を支えていけるよう、これからも努力を惜しまず研究を進めていきたいと思います。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>