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自治体の皆さまへ

「ちがい」をやさしく越えて多文化共生のまちへ(3)

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埼玉県加須市

【interview 多文化共生への取り組み 加須にほんごの会】
毎週日曜日(第5日曜日を除く)10時から11時30分まで、市民プラザかぞで活動

◆日本を好きになってもらえるように
◇代表 駒野治子さん
「加須にほんごの会」は、日本語の支援や国際文化交流を行うそれぞれのグループがまとまり、平成16年に発足しました。現在は、日本語の支援に絞り、20人ほどで活動しています。「多国籍の方々と日本人が共に豊かに暮らせる地域社会を目指す」という活動目的は、発足からずっと変わっていません。
「日本人と話して楽しかった」。そう思ってもらえるように、大切にしていることがあります。まず、参加者の話をよく聴くこと、丁寧にゆっくり話し、繰り返し確認すること、そして何よりも、やさしい言葉と心、笑顔です。
気軽に参加できる場所づくりも大切にしています。参加者の語学力も目標もさまざま。日本語認定試験を受験する方もいれば、子どもが学校から受け取るお知らせの内容を理解できる程度で十分という方もいます。それぞれの希望に合わせて、試行錯誤しながら対応しています。使用教材も、文法学習にのみ特化したものではなく、自己紹介や日常会話の練習が豊富なものを活用し、参加者との交流につなげています。スマートフォンの翻訳アプリなども積極的に使い、会話をする時間を優先しています。
外国人でも日本人でも、ルールやマナーなどお互いのことが分からないことが原因でトラブルが起こっていると感じます。トラブルが起こってから声をかけるのではなく、普段から声をかけ合えるような関係を築いていけたら良いですよね。
私たちの活動は、見学から参加も可能です。興味のある方は、ぜひ気軽に遊びに来てください。

◇会員として教室を開催 石井喜久子さん
私は、実習生の通いやすさを考え、寮に近い田ケ谷総合センターでも教室を開いています。
実習生は真面目で積極的。いつも一生懸命勉強しています。彼らは職場以外では日本語を使う機会があまり無いため、日常会話の経験が不足しています。教室では、ときには教科書の内容を離れ、出身国と日本の文化や習慣のちがいに触れるようにしています。
加須市での生活を通じて、一人でも多くの実習生が日本を好きになって帰ってもらえるように活動を続けています。
言葉がよく分からなくても、身振り手振りでも交流はできます。外国人というだけで、避けないでもらえたら嬉しいです。

ノファさん:
将来のために、働きに来ました。日本にいる間に、本物の雪を見てみたいです。職場の人は親切で、何か分からないことがあっても、いつも教えてくれます。まだ日本語は難しいので、ゆっくり話してもらえると嬉しいです。
ムキディンさん:
家族のために仕事を頑張っています。日本のごみの捨て方を勉強したいです。教室で教わった文法は、職場で役立っています。日本人の友達をつくるのが難しいので、日本のことを教えてくれる友達をつくりたいです。
ワヒドさん:
お金を貯めて、自分の会社をつくりたいです。教室は、友達と一緒なので楽しいです。慣れない環境で考えることが多く、覚えたことを忘れてしまうことがありますが、優しく声をかけてもらえたら嬉しいです。
リアンさん:
将来、自分のお店を建てるために勉強しています。職場の人は優しく親切で、仕事は楽しいです。日本語が分からなくて困るのは、どこかへ出かけたいときです。もっと日本語を勉強して日本人の友達をつくりたいです。
ファルハンさん:
お金を貯めて、自分の家を建てたいです。日本にいる間に、富士山に登りたいです。教室では、勉強だけでなく、文化や生活の話を聞くことができて面白いです。漢字が難しいので、もっと勉強したいです。

◆マルフジ建材株式会社
住宅・家具用を中心とした化粧板や住宅内装用造作部材を製造・販売する市内企業。
加須にほんごの会に通う5人を含むインドネシア人6人を雇用する。

◇代表取締役社長 佐藤圭一郎さん
技能実習生の受け入れに当たり、日本語を学びたいというニーズがあることは分かっていました。加須にほんごの会の活動を知り、会に連絡を入れた上で実習生に紹介し、通うことになりました。実習生からは、講師の先生が母国のこともよく知っていて、通うのが楽しいと聞いています。会社としても、とてもありがたく感じています。
現在、インドネシア出身の技能実習生6人を雇用し、会社の寮で共同生活しています。来日当初はスーパーや銀行に一緒に行き、買い物や預金の引き出し方などを伝えました。事前に日本文化や習慣を学んできてはいますが、日常生活が送れるような支援は必要ですから。
実習生の受け入れでは、国籍に関係なく、人として接することを心がけています。彼らには、一つの機械で経験を積みエキスパートとなるなど、技能と自信をつけてほしいと思っています。その経験は、帰国後も彼らの中で生きるものになるでしょうから。
彼らを見かけたとき、ここに住み、一生懸命働き、日本を知ろうとしていることを思い出していただけると嬉しいですね。
※写真等は本紙9ページをご覧ください。

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