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《特集》「関東最大級」の縄文のムラ デーノタメ遺跡は今(2)

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埼玉県北本市 クリエイティブ・コモンズ

■デーノタメにハマる人々
普段は深い森に覆われているデーノタメ遺跡。この地に魅せられ、『縄文の杜』の復元や遺跡の魅力発信を目指すグループ「デーノタメ縄文の杜プロジェクト」の3人に話を聞きました。

〔デーノタメ縄文の杜(もり)プロジェクト〕
デーノタメ遺跡を舞台に、体験学習やフィールドリサーチ、縄文の杜の復元作業等のワークショップを開催する市民グループ。8月に発足し、月1程度でイベントを開催予定。
※12月10日(日)8:50にワークショップ「デーノタメ遺跡を歩いて散策ルートをつくろう!」開催!

◇デーノタメで『縄文時間』を再現したい 早野圭一さん
自然が好きなので、デーノタメの森は北本最後の『秘境』として興味がありました。オオタカが営巣する森って本当に貴重なので。縄文や遺跡については詳しくなかったんですけど、台原縄文音楽祭というイベントが開催されたときに「土器って今でも作ることができるんだ」「この土偶、キャラクターにできそうだな」といろいろな楽しみ方があると思い、縄文って面白いなあと。
自分は週末に米作りをしているんですけど、デーノタメの縄文人も森を利用して維持しながら暮らす、里山の考え方を実践していたんです。機械もない時代に自然を管理するのは途方もない時間がかかってたと思いますが、その時間でこそ生まれたものがあったんだろうな。そういう『縄文時間軸』を再現して、縄文人の食とか、土器作りとか、それぞれに縄文を楽しむ人たち〔北本縄文人〕が増えていったらいいなと思います。

◇手をかければ森は応えてくれる 坂本憲二さん
北本に引っ越してきて、このまちの自然の豊かさに驚きました。それから、北本の魅力をYouTubeで発信しています。縄文への興味も、自然の延長にありますね。縄文時代は戦争がなかったとされていますが、土地に執着せず、自然の恵みの中で生きていたからではないでしょうか。
地主さんと知り合ってからは、NPО法人北本雑木林の会や若い人たちともつながり、デーノタメの森の整備に関わるようになりました。落ち葉を集めて堆肥を作ってみたり、繁茂している竹を根から除去する方法を調べて試したり、この歳で新しく覚えることがあって楽しいですよ。私は長年模型づくりを続けてきましたが、自然も同じで、手をかけた分だけ応えてくれると思うんです。将来は、子どもたちが縄文の暮らしを体験したり、地域の人たちが散歩したりできる場所にしたいですね。

◇デーノタメの魅力をもっと多くの人に伝えたい 松山温子(あつこ)さん
縄文の展示やシンポジウムに行ったことはありましたが、本格的に興味を持ったのは昨年11月にデーノタメの森の落ち葉かきに参加してからです。枯れ木を切ったり、集めた落ち葉を大きなカゴに入れて転がしたりして、みんなと一緒に無心になって作業することで、フィジカルにデーノタメの魅力を体験しました。そこで市役所の文化財担当の方からお聞きした遺跡の解説が衝撃的で、この話をもっと多くの人に知ってもらいたい!と思ったんです。それから、デーノタメのことを調べてクイズ大会をやりました。市民の方が答えを自分の頭で考えてくれたのが嬉しかったです。
私の密かな野望は、デーノタメ遺跡を「北本トマトイメージキャラクターとまちゃん」と同じくらい有名にすること。ゆるく楽しみながらも、北本のみんなが大事に思う場所になったらいいなと思いますね。

■近年の北本『縄文』ムーブメント
◇令和3年9月 第0回台原縄文音楽祭
縄文ファンの市民の皆さんが企画して、台原地区で縄文太鼓の演奏や土器づくり等を楽しむイベントを初開催。子どもも大人も体で縄文文化を体験しました。

◇令和4年11月 デーノタメの森の落ち葉かき
NPO法人北本雑木林の会が中心となって、地権者了解のもと、森の清掃作業を実施。子どもから大人まで約60人が落ち葉を堆肥箱に集めました。

◇令和5年5月 デーノタメ遺跡案内ツアー
デーノタメの森で遺跡案内ツアーを開催。市の文化財担当職員の解説とともに、クルミ形土製品や漆塗土器も公開され、市内外から訪れた参加者も大興奮でした。

◇令和5年11月 デーノタメ遺跡特別展
土器200点や縄文人が食していたとされる植物など、これまでのデーノタメ遺跡の発掘調査の成果を大公開。延べ2,000人が訪れ、大好評の展示となりました。

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