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自治体の皆さまへ

〔特集〕自治会の今とこれから(2)

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埼玉県北本市 クリエイティブ・コモンズ

■面倒?大切?経験者がホンネで語る自治会座談会
・自治会連合会会長 秋葉清(きよし)さん
自治会長を6年経験したのち、自治会連合会の会長へ。自治会の情報交換会を開催したり、自治連の広報紙を発行するなどし、自治会同士の情報共有や負担軽減を目指す。

・自治会業務の改善を目指す 佐々木圭子(けいこ)さん
班長を経験し、柴田さんへ引き継ぐ。元班長の経験や会員の視点から、自治会活動のリフレッシュを図っている。

・会員として行事等に関わる 柴田美紀(みのり)さん
仕事と子育てに従事しながら、北本2丁目自治会で子どもと関わる行事やその他のイベント等のお手伝いに携わる。昨年度、班長業務を務めあげた。

・初の女性自治会長を経験 井上慶子(けいこ)さん
定年退職を機に、地域へ貢献しようと立候補し、北本チサン第3団地地区の自治会長に。未経験者の中から、子育てや介護等の事情がある人を除いての選挙で選ばれた。「気の迷いから2年もやってしまいました」(本人談)

・くじ引きで若手自治会長に 武笠宗高(むかさむねたか)さん
全10班が輪番で自治会長を出す東原団地自治会で、くじ引きを行った結果、「当たり」を引く。悩みながらも前自治会長や会員の皆さんに助けられながら1年間務めあげた。

『自治会は「面倒」「他人事」だと思ってた』
『若い人も地域に居場所を求めている』
『役員だけじゃなくみんなを巻き込む』

◇自治会に関わる前は、どんなイメージを持っていましたか。また、関わった後はどのようにイメージが変化しましたか。
武笠さん:正直言うと、「自治会って何をやってるのかわからない」と思っていました。会長をやってみて、「自治会っていろいろなことをやっているんだな」「補助金などで市と関わっているんだな」とわかってきたところです。
柴田さん:最初はちょっと面倒くさいってイメージでした。班長のやイベントのお手伝いを経験して、地域の人とつながりができたのはありがたいかなと。一緒に班長をやったお母さんから学校のことなど情報交換ができましたね。
佐々木さん:関わる前は「年長者の組織」ってイメージでした。今は、高齢の方が増えてきているから、安否確認のような感じで、自治会のつながりを通して見守っていきたいなと思っています。
井上さん:仕事をしているときは関わってこなかったので、ほとんど他人事でした。退職後に自治会長になって「ヘビが出たけどどうしたらいいの」と相談されて、「自治会って雑用係なんだな」っていうのをヒシヒシと感じました。でも、そのおかげで皆さんとコミュニケーションが取れたかなと思います。

《美化運動やまつりが地域のつながりをつくる》
◇自治会の活動をしていて「よかったな」と思うことはなんですか。
武笠さん:自治会に入ると、地域の情報が入ったり、相談にのってくれる人ができるから良いですよね。
秋葉さん:自治会長さんたちに「自治会の美化運動みたいな活動で顔を合わせることが必要」だとよく言われます。顔を合わせるから話ができるし、確認できるから。
武笠さん:うちも、環境美化運動で集まった時は皆さんすごく楽しそうでした。「オレやるよ」って昔使ってたリヤカー引いたりしてて。こういう小さなことから少しずつ集まる機会を作って、ゆくゆくはおまつりを復活させるのもありかな。
井上さん:うちでは、おまつりについてアンケートをとったら「もうやりたくない」という意見が若い人たちから出ました。一方で、高齢者からは「一人暮らしだからコミュニケーションをとる機会がないと寂しい」という声も。
佐々木さん:おまつりは確かに大変だけど、フランクフルト焼いたりご飯炊いたり、それはそれで楽しかったな。ただ、役割分担を一部の人たちで決めると、それを受けてやるだけになってしまう。みんなで決めるのが良いと思います。「あなたはそれやってくれる?」とか、「アイディアある?」みたいな感じで。
柴田さん:自治会って高齢の方の居場所であるのと同じように、若い人の中でも居場所として求めてる方もいると思うんですよね。やり方次第なのかな。
井上さん:おまつりなら外の人の力を借りてもいいですよね。例えばキッチンカーを呼んだら手間も少ないのかも。
柴田さん:うちの子は小学生なんですけど、近くのおじいちゃんが下校時間を知っていてくれたんですよ。自治会の見守りってすごくありがたいなと思いました。
秋葉さん:子どもの登下校を見守ってる人たちの多くはボランティアなんです。自主的に子どもの通学路に立ったりしていますね。

《今の時代に合った、負担の少ないやり方で》
◇皆さんが考える自治会の課題や今後の展望について教えてください。
井上さん:うちの団地は、役員を経験した人たちが「あの頃はこうだった、だからあなたたちも同じようにしなさい」と言うんですよ。でも、今の世帯はほとんどが共働きで昔風のやり方もできなくなってきてるのが課題かな。おまつりも、実行委員会形式にしてやるとか、自発的にみんなが考えて行動すれば負担感はないのかな。あとは、少ない負担で人が集まる行事として、市役所の出前講座を1回やってみたいと思ってますね。
佐々木さん:回覧を紙ベースでやってるので、LINEとかSNSでできるようになったら良いなと思います。年配者の方向けにLINE勉強会もやったりして。自治会の皆さんに自治会の現状と課題についてアンケートをして声も聴いていきたいですね。
柴田さん:若い方って、「自治会イコール負担」みたいなイメージがある。でも、お客さんでいるよりもみんなを巻き込んで一緒にやる方が負担感もないし、不満も少ないかなと思って。役割がある人だけ関わっているんじゃなくてみんなで一緒に何かやっていけると一番いいと思ってます。
武笠さん:井上さんや佐々木さんが話していたような出前講座やスマホ勉強会とか、小さくても人が集まるような機会が作れると良いですね。あとは、自治会長の業務も、誰でもできるように年々改良していけたらと思います。
佐々木さん:逆に北本市内の自治会で一斉にドーンと何かやるのも良いかも。タオル掛け運動(※)とか。
秋葉さん:自治会のおまつりの中に子どもたちが自由参加できるようなものを考えていければいいかな。来年は、自治連の広報紙で自治会のおまつりを紹介していきたいなと考えています。

※災害時、救助者がいないことを示すため、玄関などにタオルを結びつける運動。

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