◆市指定民俗文化財 富士塚
和光市にも富士山があることをご存じですか。正確には、富士山を模して造られた山のことです。この山は富士塚と呼ばれ、富士塚に登ることで、実際に富士山に登ったのと同等のご利益があると考えられていました。
市内には、「白子熊野神社富士塚」・「下新倉氷川八幡神社富士塚」・「浅久保浅間神社富士塚」と3基の富士塚があり、いずれも講と呼ばれるグループによって明治3年~6年に造られました。姿だけを模したのではなく、石造物や、実際に富士山から持ち帰った溶岩を置いたりしました。
和光市教育委員会では、これらの富士塚を市指定文化財に指定するべく、測量や拓本調査などを行い、令和5年9月21日に和光市指定民俗文化財に指定しました。
今回は、石造物の拓本調査をご紹介します。富士塚にある石造物には、何年に富士塚が造られたか、何年に誰が富士山に登ったかなど、その富士塚を知るための重要な情報が刻まれています。
ただし、石造物は雨風にさらされ風化してしまい、刻まれた文字や絵などが見えなくなってしまうことも多くあります。そこで拓本調査をすることにより、富士塚に関する情報収集及び記録保存を行いました。
拓本調査は、まず石造物を綺麗に洗い、石造物の表面に画仙紙を水で貼り付けます。紙が乾いたら、墨をつけた道具で上からポンポンと叩きます。そうすると刻まれている文字や絵の部分が紙に浮き出てきます。
写真のように、実際には絵が見えづらいですが、拓本をとることによって猿が浮き出ています。
これらの拓本や調査の成果をまとめた報告書「和光市の富士塚」は、市内図書館、各公民館図書室・白子コミュニティセンターで閲覧することができますので、ぜひご覧ください。
※写真は本紙をご覧ください。
問い合わせ:生涯学習課 文化財保護担当
【電話】424-9119【E-mail】h0300@city.wako.lg.jp
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